すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【J1 第4節】アルビレックス新潟が「台風の目」だ ~新潟 1-0 川崎F

2023-03-12 08:17:45 | Jリーグ
豪快にニア下をぶち抜く

 見せ場は前半22分にきた。左サイドの高い位置で新潟の左SB渡邊泰基がハイプレスで競ったボールを、エースの伊藤涼太郎に託す。受けた伊藤は間髪入れずニア下を狙い、強烈なミドルを叩き込んだ。これで伊藤は貴重な2戦連発。チームは今季負けなしだ。

 これでチームは勝ち点8の暫定2位。新潟を相手に星を取りこぼしたチームが、優勝戦線から脱落するかのような様相を呈してきた。

 新潟のフォーメーションは4-2-3-1。力のある川崎が押し込み、受けた新潟が鋭いカウンターを見舞う展開で進んだ。新潟のサッカーはグラウンダーのボールを2タッチ以内でテンポよく繋ぐスタイルだ。

 のっけから新潟ボールに川崎が激しいプレスをかけまくるが、新潟は少ないタッチ数ですいすいと包囲網をかいくぐる。

 試合は川崎が6割方ボールを支配し敵陣に圧をかけるが、実は「試合を支配」しているのは新潟のほう。その証拠に自陣深くでボールを奪うと、ショートパスを立て続けにつないでの新潟によるコレクティブなロングカウンターが鮮やかに何度も決まりかける。

 ほかにGKの小島亨介は足元がよく、ビルドアップの第一歩になるパス出しがすばらしい。またCBトーマス・デンの絶妙なフィードがバシバシ決まっていた。

サポートの角度とアジリティがキモ

 新潟の強くて速いグラウンダーのパスを2タッチ以内で繋ぐサッカーは、常にボールホルダーの周囲にサポートがいなくては実現できない。

 サポートの運動量、サポートの角度、スピード、アジリティが必要だ。

 開幕戦を見て「彼らはいいサッカーをしているが、このスタイルだとプレッシングとカウンターを受けたときが課題だろうな」と予想した。だがこのチームはかなり厳しくプレッシングをかけられてもボールを失わない。

 この試合で出た新潟の今後の課題としては、狭いほうのサイドへワンタッチで向かってしまうシーンが目についた点。そうでなく常にフィールド全域を観察し、広いサイドへボールを展開するようにしたい。

 また自陣に押し込まれてどうしようもないときは、割り切ってハッキリ大きくクリアすること。彼らはどんな状況でも「繋ごう」としてバタバタし、終盤に失点するのがパターンだ。

 いやそれにしても彼らの2タッチ以内のテンポのいいサッカーは、ご飯がおいしく2度食べられる。それくらい楽しいサッカーだ。今後も強豪チームを倒して、下克上を起こしてほしいものだ。

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