ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

鳴淵ダム

2017-10-04 12:24:27 | 福岡県
2017年9月20日 鳴淵ダム
 
鳴淵ダムは左岸が福岡県糠屋郡篠栗町篠栗、右岸が篠栗町金出の多々良川水系鳴淵川にある福岡県県土整備部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
建設省(現国交省)の補助を受けて建設された補助多目的ダムで、多々良川の洪水調節、安定した河川流量の維持と既得取水権への用水補給、福岡地区水道企業団への上水道用水の供給を目的として2001年(平成13年)に竣工しました。
 
ダム建設に際し『地域に開かれたダム』をコンセプトに堤体各所にRを多用した柔和なデザインと化粧型枠を採用、また付随施設は篠栗町の町木である杉をモチーフに円形茶色の建屋と八角錐グリーンの屋根で統一し、まるでダム全体が欧州の童話をモチーフにしたメルヘンの国のテーマパークのようになっています。
一方町内の公園面積が少なかった篠栗町もダム建設に合わせてダム周辺を『清流公園』として整備、福岡市街から電車で20分で来れるという言う地理的条件もあり、小中学校の遠足や社会見学でも人気スポットになっています。
 
国道201号線の篠栗インターで国道を下り鳴淵ダム入口交差点を北に折れるとすぐにダムが見えてきます。
ダム下は河川公園、堤体直下をダムへ続く道路橋が横断しています。
 
非常用洪水吐として自由越流式クレストゲートを13門、常用洪水吐として自然調節式オリフィスゲートを1門装備、さらにダム下に利水放流設備があります。
いずれの建屋も尖がり頭のおとぎの世界。
 
堤体には城壁風の型枠が施されこれまた西洋の城郭の様
ダム下のループもいいアクセントになっています。。
 
竣工記念碑もメルヘン調、でもなんとなく弥生時代の壁画の雰囲気も。
 
上流面にも化粧型枠が施され尖がり屋根と見事にマッチしています。
手前が取水設備、奥にオリフィスゲート。
 
天端は車両通行可能
左はエレベータ塔、右手は取水設備操作室
照明のカバーも凝ってます。
余談すでがこのダム旅が9年間乗ってきたBMWE92M3のラストランとなりました。
 
天端から
ダム下は河川公園になっており、ダムへ通じる道路がループを描いています。
 
利水放流設備・バルブ室をズームアップ。
 
総貯水容量440万立米のダム湖、名前はありません。
ダム湖にもメルヘンぽい名前を付けてあげればいいのにね?
 
左岸の管理事務所
こちらはちょこっと教会風。
 
左岸展望台から俯瞰
堤体は左岸がわずかに屈曲しています。
 
追記
鳴淵ダムには洪水調節容量が設定されていますが、治水協定により豪雨災害が予想される場合には事前放流によりさらなる洪水調節容量が確保されることになりました。
 
2443 鳴淵ダム(1129)
福岡県糠屋郡篠栗町篠栗
多々良川水系鳴淵川
FNW
 
67.4メートル
308メートル
4400千㎥/4160千㎥
福岡県県土整備部
2001年
◎治水協定が締結されたダム


コメントを投稿