ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大津ダム

2018-12-03 11:04:20 | 群馬県
2016年10月 9日 大津ダム
2018年11月24日
 
大津ダムは群馬県吾妻郡長野原町の利根川水系吾妻川にある東京電力リニューアブルパワー(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
豪雪地帯を水源とし水量豊富で急流が続く吾妻川では戦前から電源開発が進められ多くのダムや発電所が建設されました。
大津ダムもそんなダムの一つで1931年(昭和6年)に建設され(事業者不明)、電力統制令により日本発送電により接収されたのち戦後の電力分割民営化で東京電力が事業継承しました。
大津ダムではダム左岸にある大津発電所で有効落差14.55メートルを利用して最大2000キロワットのダム式発電を行っています。
大津ダムは日本では数少ないローリングゲートを2門備え、石貼りの越流面も含めて竣工当時の姿をそのまま残しているといわれています。
なお2020年(令和2年)の東京電力ホールディングスの組織改編により大津ダム及び関連発電施設はすべて同社の100%子会社である東京電力リニューアブルパワー(株)に移管されました。。
 
JR長野原草津口駅から国道145号線旧道を西進、群馬大津駅手前で左の枝道に入り駅の先で左折して踏切を渡りると大津ダムの変電所が見えてきます。そのまま川の方へ下ると大津ダムが目の前に現れます。
2門のローリングゲート、右岸は自由越流式の余水吐となっています。
 
2度目の訪問では越流はなく、石張りの越流面を愛でることができました。
(2018年11月24日)
 
左側(向かって右)のゲートが開かれ激しく放流されています。
右側のゲート(向かって左)は閉まっていますが、ゲートの上を越流しています。
激しい放流と繊細な越流の対比が素晴らしい。
 
 
ほぼ同じアングルで(2018年11月24日)
 
 
右岸(向かって右)は自由越流式になっており、美しい糸を引いています。
 
(2018年11月24日)
 
ローリングゲートと越流面をズームアップ(2018年11月24日)
 
ローリングゲートをさらにズームアップ(2018年11月24日)
 
水使用標識。
 
 
岐阜県の上麻生堰堤ともどもローリングゲートを擁するオールドダムの双璧と言えるでしょう。
 
(追記)
大津ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。

0593 大津ダム(0633)
群馬県群馬県吾妻郡長野原町大津
利根川水系吾妻川
19.6メートル
73.9メートル
108千㎥/78千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
1931年
◎治水協定が締結されたダム


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