ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

鹿沢ダム

2018-12-03 12:41:49 | 群馬県
2018年11月24日 鹿沢ダム
 
鹿沢ダムは群馬県吾妻郡嬬恋村の利根川水系吾妻川上流部にある東京電力リニューアブルパワー(株)が管理する発電目的のアースフィルダムです。
水量豊富で急流が続く吾妻川では戦前から電源開発が進められ多くのダムや発電所が建設されました。
鹿沢ダムもそんなダムの一つで1927年(昭和6年)に吾妻水力電気(株)により田代発電所(現鹿沢発電所)の調整池として建設されました。
1939年(昭和14年)の電力統制令により日本発送電に接収されたのち、1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により東京電力が事業継承しました。
大沢川・吾妻川・大横川で取水された水が鹿沢ダムに貯留され、1キロ超の導水路で東京電力鹿沢発電所に送られ最大5600キロワットの水路式水力発電を行っています。
日本では数少ないコンクリートコア型式のアースフィルダムで、戦前の貴重な土木建築物であることからCランクの近代土木遺産に選定されています。 
 
嬬恋村田代の国道144号線に田代湖の標識があります。
これに従って北に折れると鹿沢ダムに到着します。現地では田代湖の名称が一般的です。
 
堤頂長981.1メートルの長大なアースフィルダムですが、全面にフェンスが設けられちゃんとした展望ポイントはありません。
 
 
堤体は犬走りを挟んで2段構成。
 
右岸湖岸にある嬬恋かるたの標識
かるた王国群馬ならでは。
 
右岸から
堤体は緩やかにL字状に湾曲しています。
 
貯水池
総貯水容量は536万4000立米。
 
右岸にある大沢川・吾妻川・大横川からの流入口。
 
左岸の鹿沢発電所への取水口。
 
右岸にある小さな洪水吐
湖沼をダム化した調整池で実質河道外貯留のため溢流することはほとんどないと思われます。
 
浅間連峰が一望できる絶好のロケーションで本来ならば高原の湖という風情を満喫できるのでしょうが、悲しいかな貯水池全体がフェンスに囲まれて立ち入ることができません。
発電施設に加えて過去に水死事故があった影響もあるんでしょうがちょっともったいない気もします。

0590 鹿沢ダム (1427)
群馬県吾妻郡嬬恋村田代
利根川水系吾妻川
18.2メートル
981.8メートル
5634千㎥/5536千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
1927年
 



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