ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

鍛冶屋沢ダム

2018-12-03 09:53:44 | 群馬県
2018年11月24日 鍛冶屋沢ダム
 
鍛冶屋沢ダムは群馬県吾妻郡東吾妻町の利根川水系吾妻川左支流鍛冶屋沢川にある東京電力リニューアブルパワー(株)が管理する発電目的の重力式コンクリートダムです。
水量豊富で急流が続く吾妻川では戦前から電源開発が進められ多くのダムや発電所が建設されました。
鍛冶屋沢ダムもそんなダムの一つで1929年(昭和4年)に松谷発電所の調整池として建設されました。(事業者不明)。
1939年(昭和14年)の電力統制令により日本発送電に接収されたのち、1951年(昭和26年)の電気事業再編政令により東京電力が事業継承しました。
川中発電所の放流水及び白砂川・吾妻川で取水された水が鍛冶屋沢ダムに貯留され、導水路で松谷発電所に送られ最大2万4500キロワットの水路式発電を行っています。
 
中之条から国道145号線を西進し、松谷交差点で左手の旧道に進みます。
松谷発電所を過ぎると右手の枝道に入り北に進むとすぐに国道145号バイパストンネル下で行き止まりとなります。
ここから川沿いに10分ほど歩くと鍛冶屋沢ダムに到着します。
トンネルからの水路は洪水吐斜水路です。
 
ダム下から
左岸に洪水吐越流部があります。
 
除塵機で集められた落ち葉が積もっています。
 
左岸の洪水吐と洪水吐導流部
ここから一番上の写真のトンネル吐口へと向かいます。
 
天端は立ち入り禁止。
 
上流面。
 
堤体本体のほかに、左岸側面にも洪水吐があります。
 
松谷発電所への取水口。
 
主として白砂川からの水が貯留され、硫黄成分の影響で貯水池はエメラルドグリーンになっています。
 
白砂川からの導水路吐口
水がエメラルドグリーンです。
 
人気の八ツ場ダムからわずか2キロ下流にある鍛冶屋沢ダムですが、八ツ場の喧騒とは裏腹に人気はなく貯水池に流れ込む水の音だけが絶えることなくが響いていました。
 
(追記)
鍛冶屋沢ダムは洪水調節容量を持たない利水ダムですが、治水協定により台風等の襲来に備え事前放流を行う予備放流容量が配分されました。
 
0592 鍛冶屋沢ダム(1426)
群馬県吾妻郡東吾妻町松谷
利根川水系鍛冶屋沢川
39.2メートル
90.9メートル
257千㎥/188千㎥
東京電力リニューアブルパワー(株)
1929年
◎治水協定が締結されたダム


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