ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大野川ダム

2022-04-29 06:00:00 | 新潟県
2022年4月23日 大野川ダム
 
大野川ダムは新潟県佐渡市新穂大野の国府川水系大野川にある新潟県土木部が管理する多目的重力式コンクリートダムです。
1967年(昭和42年)の羽越豪雨により大野川流域では多大な洪水被害が発生、これを契機に大野川への多目的ダム建設が採択され、1979年(昭和54年)に佐渡初の補助多目的ダムとして大野川ダムが竣工しました。
大野川ダムは大野川の洪水調節、安定した河川流量の維持と不特定灌漑用水への補給、上水道用水の供給を目的としています。

旧新穂村中心部から大野川沿いの市道を遡上するとダムに到着します。
途中でダム下への管理道路が分かれますが、こちらは途中で関係者以外立ち入り禁止。
右岸ダムサイトから
大野川ダムは佐渡では唯一のゲート装備ダムでラジアルゲート2門のうち右岸側から放流しています。


ダム下に放流設備があり、常用洪水吐としてホロージェットバルブ1条、利水放流設備としてジェットフローゲートを装備
ジェットフローゲートから河川維持放流が行われています。


堤頂長は183メートルで、左岸に脆弱箇所があるためわずかに屈曲しています。


天端は車両通行可
提体が折れているのがよくわかります。


『逆カド』


ゲート越しの減勢工。


事前からこの緑色のレールが気になり、『もしや?』と思っていたのですが…
取水設備は非常に珍しいヒンジアーム式の表面取水設備。
不特定利水の大半は灌漑向けとなるため、水温の高い表面取水を行う必要からこのタイプが選択されたようです。
堤体にビルトインしたヒンジアーム式取水設備を目にしたのは鳥取の菅沢ダムに次いで2例目。
このほか秋田の素波里ダムにもヒンジアーム式取水設備がありますが、こことはまた違った型式。


ダム湖は総貯水容量139万立米。


右岸から
対岸に管理事務所があり職員が常駐。
右手が件のヒンジアーム式取水設備、管理事務所左手にインクラインがあります。


インクラインと巡視艇。


上流から
縦長のラジアルゲートと右手にはヒンジアーム式取水設備のレール。
中央には予備ゲートのコースターが見えます。

0774 大野川ダム(1796)
新潟県佐渡市新穂大野
国府川水系大野川
FNW
47メートル
183メートル
1390千㎥/1090千㎥
新潟県土木部
1979年


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