2016年9月10日 最上小国川流水型ダム
2023年7月24日
最上小国川流水型ダムは山形県最上郡最上町富澤の一級河川最上川水系最上小国川にある山形県県土整備部が管理する治水目的の重力式コンクリートダムです。
最上小国川は手つかずの自然が残りアユが遡上する川として知られる一方、原始河川として治水対策が施されず川が貫流する赤倉温泉街ではたびたび出水被害を被っていました。
当所は目的FNの補助治水ダムとして着手されますが、自然保への配慮もあり境への負荷が低いとされる流水型治水専用ダムに変更し2019年(令和元年)に竣工しました。
併せてダムの名称も当初の最上小国ダムから最上小国流水型治水ダムに変更されました。
補助ダムとしては全国で5番目、東北初の流水型治水ダムとなり、洪水時には最大毎秒250立米の洪水をカットします。
最上小国流水型ダムには本体掘削中の2016年(平成28年)9月に初訪、2023年(令和5年)7月に再訪しました。
前半3枚は初訪時、残りは再訪時の写真となります。
赤倉温泉から県道262号を南下するとダム建設現場が見えてきます。
道路わきには骨材プラントとコンクリート精製プラント。
ちょうど本体掘削が始まったばかり。
ダム建設予定地直上の砂防ダム。
流水型治水ダムですので、ダムが完成してもダム湖には沈まず貯砂ダムとして機能させるようです。
ここからは2023年7月の再訪時の写真となります。
堤高41メートル、堤頂長143メートルの小ぶりな堤体。
放流設備としてクレスト自由越流頂6門と常用洪水吐となる放流管2門を装備。
副ダムにはスリットが入っています。
少しズームアップ
平時は流入量はそのまま放流管から放流されます。
波返しの付いた堤趾導流壁。
左岸ダムサイトの記念碑。
残念ながら天端は立ち入り禁止
左は監査廊入り口。
親柱には施工業者によるプレート。
竣工プレート。
ダムサイトの管理事務所
職員の常駐はなく巡回のみ。
上流面。
天端の赤い手すりがいいアクセント。
流水型ですので、当然普段はダム湖は空っぽ
総貯水容量230万立米のうち、洪水には有効貯水容量210万立米を貯め込み、最大毎秒250立米の洪水調節を行います。
奥にあるのは3枚目写真の砂防ダムで今は貯砂ダムとして機能
手前は転流工のための仮締切を利用した流木除け。
流水型にして水質は保全できますが、俎上した魚はこの砂防で行き止まりのような・・・
流木除けをズームアップ。
仮締切を利用しており、ダム建設中は写真右手に仮排水路が設けられていました。
3250 最上小国川流水型ダム(0552)
山形県最上郡最上町富澤
最上川水系最上小国川
F
G
41メートル
143メートル
2300千㎥/2100千㎥
山形県県土整備部
2019年