ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

大郷戸ダム

2023-04-08 18:00:00 | 栃木県
2015年12月04日 大郷戸ダム
2023年 3月20日
 
大郷戸ダムは栃木県芳賀郡益子町大郷戸の利根川水系小貝川左支流松本川にある灌漑目的のロックフィルダムです。
益子町では灌漑用水源を小貝川および小規模溜池に依存していましたが、用水不足が絶えず安定した水源確保と灌漑設備の整備が求められていました。
1976年(昭和51年)に農林省(現農水省)の補助を受けた県営かんがい排水事業及び圃場整備事業が着手され、その灌漑用水源として1986年(昭和61年)に竣工したのが大郷戸ダムです。
管理は益子町土地改良区が受託し、約400ヘクタールの水田に灌漑用水を供給しています。

益子といえば益子焼を連想しますが、大郷戸は『水と緑の大郷戸』をキャッチフレーズに豊かな自然との共生を図っており、ダム湖岸には遊歩道や親水設備が設けられているほか、ダム回りの丘陵地は『大郷戸アルプス』として登山道が整備されています。
大郷戸ダムには2015年(平成17年)12月に初訪、2023年(令和5年)3月に再訪しました。

ダム下の放流設備(2015年12月4日)。


ロックフィルダムですが堤体には芝が張られ見た目はアースっぽくなっています。
(2015年12月4日)


右岸ダムサイトの管理事務所
職員の常駐はありません。
初回訪問時は多数の釣り師が釣り糸を垂れていましたが、今は釣り禁止。
釣り糸をはじめゴミの放棄など行状の悪さによる自業自得です。


天端をはじめダム湖を周回する道路は車両の通行ができます。


総貯水容量は28万9000立米。
関東では珍しく自然林に囲まれています。
紅葉は素晴らしいだろうなあ。


天端から
ダム下は杉林、リップラップは秋冬に草が刈られます。


左岸の洪水吐斜水路
減勢工には1枚目写真の放流設備からの河川維持放流が流れ込んでいます。


左岸の横越流式洪水吐。


上流面はロック材で護岸。
唯一ロックフィルダムが確認できるパート。


関東では珍しい取水塔
陽に照らされ赤が鮮やか。


湖岸の記念碑。


ダム湖上流にある副ダム。
貯砂ダムと言うよりは親水設備として作られたようです。
対岸に歩いて渡ることもできます。


インレットは芝生の公園になっています。


ダム湖上流湖畔には遊歩道が設けられています。


 かつては釣りスポットとして知られた大郷戸ダムですが、釣りが禁止となり今はひっそり。
環境整備は素晴らしく、桜のや紅葉の季節にお弁当でも持参してのんびり過ごしたいダムです。

0579 大郷戸ダム(0079)
栃木県芳賀郡益子町大郷戸
利根川水系松本川
27.7メートル
150メートル
289千㎥/274千㎥
益子町土地改良区
1986年