ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

菅又調整池

2023-04-07 18:00:00 | 栃木県
2015年12月04日 菅又調整池
2023年 3月20日
 
菅又調整池は栃木県芳賀郡茂木町下菅又にある灌漑目的の重力式コンクリートダムです。
栃木県南東部に位置する芳賀台地は地味肥沃ながら水利に乏しく、生産性向上のため灌漑施設の整備が強く求められてきました。
1982年(昭和57年)に農水省による国営芳賀台地農業水利事業が着手され、栃木県が建設を進める東荒川ダムに特定灌漑容量を確保するとともに、灌漑施設の整備が進められその調整池として2002年(平成14年)に竣工したのが菅又調整池です。
農業水利事業全体も2004年(平成16年)に竣工し、6町にまたがる約2700ヘクタールの田畑向けの灌漑設備が整備されました。
管理は併せて建設された塩田調整池などとともに芳賀台地土地改良区が受託しています。
事業の竣工により首都圏から100キロ圏内と言う立地の良さを生かし効率的な近郊農業経営が可能となりました。
菅又調整池には2015年(平成17年)12月に初訪、2023年(令和5年)3月に再訪しました。
写真はすべて再訪時のものです。
 
茂木から国道294号を北に進むと左手に菅又調整池が見えてきます。
ダム下の建屋は揚水機場。


クレスト自由越流頂1門の簡易な洪水吐。


ダムサイトに上がります。
農業用ダムではおなじみ事業概要説明板。


天端にはチェーンが張られています。
塩田調整池訪問時に土地改良区で確認したところ、徒歩での立ち入りはOKとのこと。


上流面。


天端から
手前は放流設備、奥は揚水機場
減勢工は隧道を流下し100メートルほど先で小川に合流します。
菅又調整池の自己流域はわずかで集水の大半は塩田調整池からの導水によるため、簡易な洪水吐や減勢工で十分なんでしょう。


総貯水容量49万立米の貯水池。
集水の大半は塩田調整池からの導水によります。
導水路流入口は立ち入り禁止の上流側にあり見ることはできません。


日本家屋風?の取水設備機械室。


右岸から
堤高28.4メートルで堤頂部の『襟』がずいぶん大きく見えます。


天端は2車線幅ありますが、車両進入禁止。


右岸には駐車場らしきものがあります。
当所は塩田調整池同様親水施設として利用するつもりだったのでしょう。


洪水吐と取水設備。


3279 菅又調整池(0080)
栃木県芳賀郡茂木町菅又 
那珂川水系荒川
28.4メートル
105メートル
490㎥/488㎥
芳賀台地土地改良区
2002年