ダムの訪問記

全国のダムと溜池の訪問記です。
主としてダムや溜池の由来や建設の経緯、目的について記述しています。

鵜生池

2018-01-16 16:07:10 | 香川県
2017年12月22日 鵜生池
 
鵜生池(うのいけ)は香川県綾歌郡綾川町畑田の本津川水系本津川右支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
池の起源は江戸初期寛永年間(1620年代)まで遡り、受益地である畑田、福家の農民が当時谷間で葦が一面に茂り鵜が生息していた湿地に池を築造したことから『鵜生池』の名がついたとされています。
1976年(昭和51年)に香川県の老朽ため池等整備事業で大規模な改修が行われほぼ現在の姿となり、ダム便覧ではこの改修竣工をダムの竣工年度としています。
さらに1978年(昭和53年)からは池南端を通る香川用水からの補給が開始され水利状況は大きく改善しました。
現在は国分寺町土地改良区が管理を行い、71ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
下流から
基部はコンクリートブロックの擁壁、堤体は草刈りのあと野焼きされています。
 
ダム下中央、取水設備からの底樋。
 
右岸の改修記念碑。
 
天端からの眺め。
 
総貯水容量は33万7000立米
南端を通る香川用水から補給を受けています。
 
天端は市道。
 
堤頂長236メートルの長い堤体
上流面はコンクリートで護岸されています。
 
斜樋。
 
左岸の洪水吐。
 
水利に乏しい香川ではどの溜池も規模に対して小さな洪水吐です。
 
3615 鵜生池(1226)
ため池コード
香川県綾歌郡綾川町畑田
本津川水系本津川右支流
15.1メートル
236メートル
337千㎥/337千㎥
国分寺町土地改良区
1976年

神内上池

2018-01-16 16:06:21 | 香川県
2017年12月22日 神内上池
 
神内(じんない)上池は香川県高松市西植田町の新川水系春日川(上流では天満川)上流部、神内池の上流約1キロ地点にある灌漑目的のアースフィルダムです。
新川水系春日川流域には古くから公渕池城池松尾池、神内池の4つの溜池があり四箇池と総称されていました。
明治維新後の新田開発により耕作面積が増加したことで新たな水源確保の必要性が高まり、1916年(大正5年)に神内上池が完成しました。
1960年(昭和35年)に当池を嵩上げするとともに当池をを調整池として松尾池・城池・公渕池に配水する四箇池用水が完成、さらに2003年(平成15年)には香川県のため池等整備事業により大規模な改修が行われました。
現在は四箇池に加え神内上池、坂瀬池の6基の池を四箇池土地改良区が管理し、春日川流域1100ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。 
高松道高松中央インターから県道43号線を南下して西植田町交差点を過ぎると右手(西側)に神内池が見えてきます。神内池をやり過ごし次の三差路を右折、天満川手前の分岐を左に採ると神内上池右岸に到着します。
堤高29.7メートルの立派な堤体。
 
上流面
右岸寄りに斜樋があります。
 
天端から
下流に神内池が見えます。
 
天端。
 
総貯水容量は75万立米
天満川の水はいったん神内上池に貯留され四箇池用水で公渕池・城池・松尾池に配水されます。
 
上流面はコンクリートで護岸。
 
天端には2基の石碑が建ちます。
 
 
左岸の円形越流式洪水吐
石が・・・・。
 
洪水吐から。
 
洪水吐導流部。
 
神内上池は四箇池の上部調整池となっており、他の池で用水不足が発生すると当池から補給を行い、逆に余裕がある時は当池で貯留する仕組みです。
 
2153 神内上池(1225)
ため池コード
香川県高松市西植田町
新川水系春日川(天満川)
29.7メートル
130メートル
750千㎥/750千㎥
四箇池土地改良区
1916年

神内池

2018-01-16 16:05:34 | 香川県
2017年12月22日 神内池
 
神内池は香川県高松市西植田町の新川水系春日川(上流では天満川)にある灌漑用目的のアースフィルダムです。
新川水系春日川流域には古くから公渕池城池松尾池、神内池の4つの溜池があり四箇池と総称されていました。
神内池は四箇池最初の溜池として1635年(寛永12年)に生駒家時代の高松藩によって築造されました。
1916年(大正5年)に上流に神内上池が竣工し池は5基となり、1969年(昭和39年)の大規模改修により現在の規模となりました。
ダム便覧ではこの大規模改修の竣工もってを竣工年度としています。
四箇池に加え神内上池、坂瀬池の6基の池を四箇池土地改良区が管理し春日川流域1100ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
県道43号線から眺める神内池。
 
天端は車両通行可能。
 
上流面はコンクリートで護岸
釣師が残したごみが散乱・・・。
 
天端からの眺め。
 
総貯水量138万立米の巨大な貯水池。
対岸の建物はカフェジョルダンという庭の芝桜が有名なカフェ・レストランです。
 
堤体中央の斜樋。
 
左岸の洪水吐
手前に切れ込みがあり鋼製起伏ゲートが設置されています。
起伏ゲートつきの洪水吐は同じ四箇池土地改良区が管理する城池でも見られます。
 
アングルを変えて。
 
洪水吐導流部。
 
神内池の説明板。
 
底樋は民家の私有地先だったため確認できませんでした。
 
2182 神内池(1224)
ため池コード
香川県高松市西植田町
新川水系春日川(天満川)
15.2メートル
249メートル
1160千㎥/1160千㎥
四箇池土地改良区
1635年築造
1969年大規模改修竣工

松尾池

2018-01-16 02:39:58 | 香川県
2017年12月22日 松尾池
 
松尾池は香川県高松市西植田町の新川水系春日川右支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
新川水系春日川流域には古くから公渕池城池、松尾池、神内池の4つの溜池があり四箇池と総称されていました。
松尾池は四箇池3番目の溜池として1672年(寛文12年)に高松藩の普請によって築造されました。
戦後1960年(昭和35年)に神内上池を調整池として松尾池・城池・公渕池を結ぶ四箇池用水が完成、さらに1971年(昭和46年)に県の事業で大規模な改修工事が行われ現在の姿となりました。
ダム便覧ではこの大規模改修の竣工をもって竣工年度としています。
現在は四箇池に加え神内上池、坂瀬池の6基の池を四箇池土地改良区が管理し、春日川流域1100ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
また竣工当時の姿を残す煉瓦作りの底樋管はCランクの近代土木遺産に選ばれています。
 
直角に屈曲した堤頂長423メートルの長大な堤体で、付近は香川県特有の三角錐の山々が続きます。
 
左岸の斜樋と洪水吐を遠望。
 
松尾池の説明板。
 
 
総貯水容量は132万立米。
 
天端は車両通行可能。
 
越流式洪水吐。
 
下流面は奇麗に刈り払われています。
 
洪水吐導流部。
 
底樋管はCクラスの近代土木遺産です。
煉瓦造りで扁額入りの立派なポータル。デザインは公渕池とそっくりですが公渕がコンクリートなのに対してこちらは煉瓦製。
 
分水用ゲート。
 
3614 松尾池(1223)
ため池コード
香川県高松市西植田町
新川水系春日川右支流
18.7メートル
423メートル
1322千㎥/1322千㎥
四箇池土地改良区
1672年築造
1971年大規模改修竣工

城池

2018-01-16 02:24:41 | 香川県
2017年12月22日 城池
 
城池は香川県高松市東植田町の新川水系春日川右支流朝倉川にある灌漑用目的のアースフィルダムです。
新川水系春日川流域には古くから公渕池、城池、松尾池神内池の4つの溜池があり四箇池と総称されていました。
城池は四箇池2番目の溜池として1647年(正保4年)に高松藩の普請によって築造され、近くに戸田山城があったことから城池と命名されました。
1960年(昭和35年)には神内上池を調整池として松尾池・城池・公渕池を結ぶ四箇池用水が完成、さらに1975年(昭和50年)に公渕池及び城池を含む一帯が公渕森林公園として整備されるのにあわせて県の事業で大規模な改修工事が行われ現在の姿となりました。
ダム便覧ではこの大規模改修の竣工を竣工年度としています。
現在は四箇池に加え神内上池、坂瀬池の6基の池を四箇池土地改良区が管理し、春日川流域1100ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
 
高松道高松東インターから県道30号を南下、公渕池をやり過ごし朝倉川を渡った先を左(東)に折れる城池の堤体が見えてきます。
 
奇麗に刈り払われた下流面。
 
天端は車道で車両通行可能
並んでいる車は釣り師のものです。
 
城池の説明板。
 
右岸の洪水吐導流部
まるで城の堀のよう。
 
右岸の円形越流式洪水吐。
 
越流部には切れ込みがあり鋼製起伏ゲートが設置されています。
 
天端からの眺め。
 
総貯水容量は72万立米。
四箇池の中では最小です。
 
左岸の斜樋。
 
 
底樋は確認しませんでした。
 
3513 城池(1222)
ため池コード
香川県高松市東植田町
DamMaps
新川水系朝倉川
16.5メートル
190メートル
720千㎥/720千㎥
四箇池土地改良区
1647年築造
1975年

公渕池

2018-01-16 02:18:54 | 香川県
2017年12月22日 公渕池
 
公渕(きんぶち)池は香川県高松市東植田町の新川水系春日川右支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
新川水系春日川流域には古くから公渕池、城池松尾池神内池の4つの溜池があり四箇池と総称されていました。
公渕池は四箇池の中では一番新しく、1863年(文久3年)に高松藩の普請で築造されました。『公渕』という名称は屋島の戦いで敗れた平家の公達がこの地の渕に身を投げたことに由来するそうです。
1933年(昭和8年)の県営事業による改修で総貯水容量176万立米という香川県屈指の規模の溜池となりました。
ダム便覧ではこの県営事業の竣工を持って竣工年度としています。
1960年(昭和35年)には神内上池を調整池として松尾池・城池・公渕池を結ぶ四箇池用水が完成し、四箇池に加え神内上池、坂瀬池の6基の池を四箇池土地改良区が管理し、春日川流域1100ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
また竣工当時の姿を残すコンクリート作りの底樋管はCクラスの近代土木遺産に選定されています。
 
なお、香川県のデータとダム便覧では堤高や堤頂長の数字が異なっていますが、ここでは香川県の数字を採用します。
 
高松道高松東インターから県道30号を南下し東植田町に入ると正面に公渕池が見えてきます。
1975年(昭和50年)に公渕池及び城池を含む一帯が公渕森林公園として整備され周辺住民の憩いの場となっています。
 
取水設備からの底樋樋門
コンクリート造りの樋門は1933年(昭和8年)の改修工事により設置されたもので、底樋管はCランクの近代土木遺産に選ばれています。
 
堤体は直角に屈曲。
 
右岸の斜樋。
 
広大な天端は車両通行可能で公渕森林公園利用者の駐車スペースにもなっています。
 
天端から
三角錐の山がそびえる香川県特有の景色が広がります。
 
斜樋の建屋
こちらも1933年(昭和8年)のもので扁額付き。
 
貯水量176万立米は四箇池最大、香川県でも屈指の規模を誇ります。
 
貯水池の規模に比べて小さな洪水吐
越流部分に切れ込みがあります。
 
各種石碑と社
公渕池の由来や歴史、四箇池用水について詳しく記述されています。
 
公渕池及び城池周辺は森林公園として遊歩道が整備され、平日にもかかわらず非常に多くの人がウォーキングやジョギングを楽しんでいました。
 
2158 公渕池(1221)
ため池コード
香川県高松市東植田町
新川水系春日川右支流
27.8メートル
260メートル
1793千㎥/1785千㎥
四箇池土地改良区
1933年築造
1991年改修

小川下池

2018-01-16 01:38:45 | 香川県
2017年12月22日 小川下池
 
小川下(こかげ)池は香川県木田郡三木町朝倉の新川水系吉田川右支流(河川名未確認)にある灌漑目的のアースフィルダムです。
小川下は集落名で豪雨の際に削られやすい土地=『小欠ケ』が由来とされています。
現地案内板によると1939年(昭和14年)の大干ばつをきっかけに朝倉川流域で灌漑用溜池築造の機運が高まり小川下耕地整理組合が設立されます。
そして翌1940年(昭和15年)より県営事業として溜池築造が着手され戦争激化による物資・人員不足に悩まされながらも終戦後の1948年(昭和23年)に小川下池が竣工しました。
その後1977年(昭和52年)に県営事業による部分改修が、2007年(平成19年)には国営総合農地防災事業により全面的な改修が行われ現在に至っています。
池の管理は小川下池水利組合が行い、156ヘクタールの農地に灌漑用水を供給しています。
なおダム便覧では1973年竣工と記されていますが、これは県営の部分改修事業の着手年度であり竣工年度としては1948年が妥当と思われます。
 
三木町中心部から県道13号~42号線を南下、上吉谷集落の先で左の枝道に入ると小川下池の堤体が見えてきます。
下流面は草刈りののち野焼きされています。
 
堤体中央に取水設備からの底樋樋門、右手(左岸)に洪水吐導流部があり下流で合流しています。
 
道路を進むと堤体左岸に到着します
上流面はコンクリートで護岸、右奥に斜樋が見えます。
 
左岸の越流式洪水吐。
 
洪水吐導流部。
 
天端からの眺め
下の道路が1枚目の写真の撮影場所です。
 
貯水池は総貯水容量は60万立米。
 
天端には記念碑が2基と社が鎮座します。
 
2007年(平成19年)にかけて行われた国営総合農地防災事業の説明板。
 
下流面
刈り払った後野焼きされています。
 
小川下池を水源としていた朝倉川流域の農地では、1976年(昭和51年)から香川用水の補給が開始され水事情は格段に向上しました。
もちろん小川下池が貴重な水源であることに変わりはありません。
 
2162 小川下池(1220)
ため池コード
香川県木田郡三木町朝倉
新川水系吉田川右支流
26.8メートル
156メートル
600千㎥/600千㎥
小川下池水利組合
1948年竣工
2007年改修