晴走雨楽(せいそううがく) 風の又三郎

晴れている日は山やロードを走り、雨の日は音楽や楽器演奏しています。風の吹くまま、気の向くまま・・・。

TBSテレビ 情熱大陸(トレイルランナー 山本健一)を観て 【追記:記事掲載】643

2013年07月06日 23時59分43秒 | トレラン
■本日(2013/07/06<土>)は、先日、放映があった情熱大陸(トレイルランナー 山本健一)
を再生したので紹介します。
 
★2023.06.25:過去の山本健一さん記事をリンク

 
■TBSテレビ 情熱大陸(トレイルランナー 山本健一)を観て
先日(6/30<日>)、山の神(家内)が新聞のテレビ番組欄にマーカーをしている。
「情熱大陸 メチャ過酷 命懸けで山を走る忍者 アドレナリン爆発!」
“走る番組みたいね”、と。 テレビのデータ番組を確認すると トレイルランナー
山本健一 早速、録画する。

○テレビ   : TBSテレビ
○放映日時 : 2013年6月30日(日) 23:00~23:30
○番組名   :「情熱大陸」
      メチャ過酷 命懸けで山を走る忍者 アドレナリン爆発!

▼トレイルランナー 山本健一
※この写真は、Trail Running No11の表紙と同じ

○開催時期   : 2012.08.24~8.26
○開催名    : グランド・レイド・デ・ピレネー
○開催地エリア: フランス
○距離     : 100マイル(160km)
○定員      :850名
※全競技種目を合わせて、33カ国、総勢約2,000名のトレイルランナーが集結。
日本人はただひとり。初参加、初優勝。
レース中のこのポーズ、余裕あり流石。

◆トレイルランナー 山本健一 (33歳)  通称 ヤマケン

肉体の限界が試されるとき、体を突き抜けていく恍惚感、言葉には出来ない。
トレイルランナー山本健一は、その味を知ってしまった。
舗装された道ではなく、山河(山岳)を走るトレイルランナー、とりわけ過酷なレースが
彼の戦場だ。
160kmを越える距離を不眠不休、昼夜を問わず走り続ける。
日本の競技人口はまだ少ない、だがその世界では“ヤマケン”と呼ばれ
圧倒的な知名度を誇っていた。


▼最近の国内や海外レースでは入賞や優勝。


頭角を現したのは8年前、去年フランスで行われたレースで日本人初の優勝に
輝いた。トップアスリートの地位を盤石とした。


▼“オレ忍者だ”   “速く走りたい”   “忍者になりたい”
この男がヨーロッパ屈指の難コースを忍者が駆ける。


▼山梨県立 韮崎(にらさき)工業高校 教諭

世界的なトレイルランナーは教壇に立っている。
3年生のクラスを持つ体育教師、今、はやりの公務員ランナーだ。


▼部活 山岳部の顧問を務める

この日も放課後、生徒を連れて近くの山でトレーニング
部活の指導は自分自身のトレーニングを兼ねていた。
標高2,000m峠まで一気に駆け登る。
山本は20kgの重りを背負っていた。
プロでもないので、練習はこの部活のみ。
公務員の立場では海外遠征も年に一度が精一杯だ。
もっともっと難しいレースに挑みたい、山本は二か月後に迫ったヨーロッパでの
大会に照準を合わせていた。


▼UTMF(2012.04.26開催  距離100マイル)
その前哨のレースが4月の終わり


山道を走るトレイルランは危険と隣り合わせている。
携行が義務付けられている必携品(参加条件)

コース地図、携帯電話、GPS、コップ、食料、1リットル以上の水、長ズボン、長袖シャツ
手袋、熊鈴、ライト2個(予備電池)、携帯トイレ

低血糖を避けるため山本は1万キロカロリーを超えるエネルギージェルを準備している。
固形物は胃腸に負荷を与えるので一切とらない。


テーピングを施した体、身長177cm  体重65kg  体脂肪率8%


○ウルトラ・トレイル・マウント・フジ


富士山のすそ野を一周する全長161km 去年日本人最高3位だった。
山本は優勝候補を目されていた。1000人が参加。

大会の難易度を決める要素の一つは、アップダウンの激しさだ。
累積標高9,000m  数字だけだとエベレストを越える。
スタートラインには、望月選手が。

左は望月選手? 真ん中は山本選手 右は山屋選手



54.9km地点 エイドステーション


“月がメチャクチャきれいで” すごかった“

山本は一睡もしない、獣ように夜走るとき、五感は極度に冴えわたるという。


だが、翌朝


“ヒザの真ん中あたりが痛い”
“下れない  (ヒザの)皿が痛い  ダメだぁ”

127.6km地点 出発から17時間 初めてのリタイア


“すみません  今の体じゃダメです これじゃ 心もダメです”
“悔しいですけど”

7年前に手術した右ヒザがまた疼き始めた。ヨーロッパが遠のいて行く。



▼1979年 山梨県 韮崎市生まれ

両親も体育教師だった。

高校(韮崎高校)時代は山岳部、インターハイのも優勝し、山の魅力を知る。


モーグル部に没頭した大学時代(信州大学)経て、トレイルランの楽しさに
目覚めた。


一躍活況浴び練習に明け暮れた。

度が過ぎて、右ヒザ半月板を痛めたのはその頃だ。


▼痛恨のUTMFリタイアから2週間

走る事を医師から止められた山本、休日実家の田んぼを手伝っていた。

思いはやはりヨーロッパの大会に向かう。参加するか見送るか、
もしも無理したら二度と走れなくなるかも知れない。




“今までヒザ 頑張ってきたから それが今 出ちゃったって感じ”
“タイミング悪く トレーナーは(次の大会に)行かない方がいいって感じなんですよ”
“だけど それでは僕は気が収まらないんで  行きたいってこと言ったら”
“「痛みが出たらリタイアだね」って言われました” 「今後のためにも」

▼山本家の食卓
凄まじい消耗を強いられるレース、内臓にかかる負担は半端ではない。


メニューは野菜中心、山本は肉もカフェインも口にしない。
奥さん(食品会社の研究員で働く、管理栄養士の如く)が口元を見ている。
「なるべく 体調を整えて欲しいので」
「よくかむ事とよく寝る事を うるさく言ってるんですけど」


▼子供と遊ぶ

家族にいつも心配を掛けている。
“(子どもが)中学生になるまでは”
“(トレイルランナーを)やりたいなと思いますけど”
“ボロボロって言われたいな”


▼甲府病院  (右ヒザの診断)

手術を受けてヒザが回復するなら、今年のヨーロッパは見送ってもいいと、
そう考えていた。
酷使したヒザの関節はすり減っている。走りは並外れた筋力により支えられていた。

医師は手術には反対らしい。



「一度すり減って関節は、なかなか若返らせることが難しい」
「今の医学だと(右ヒザの)状態を 左ヒザ」の状態に持っていくのは かなり厳しい」
“すぐに良くなるものでもない?”
「たちまちは難しい」

“すっきりしました” “もう行ける” 

“今回も このヒザで一緒に アンドラ(大会開催国)を走りたい という気持ちになった”
“まあ、やれる時に、やるしかない” “走れると思います”

驚くほど決断は速かった、直らないヒザを思い煩うならば、走りながら養生した方が良い。
ヨーロッパに向けた調整が始まった。

学校には1週間の有給休暇を出すことになる。


▼アンドラ・ウルトラトレイル (6月21日)
開催地となるアンドラは、フランスとスペインに挟まれたフェネリー山脈の小さな国だ。


○現地には有志のサポーターも同行してくれた。“体調 とてもよい”


○無事完走したらこれを着てね。妻が作ってくれたTシャツ


リュックにも家族の写真を忍ばせて走る。いざという時、山本を奮い立たせる必需品だ。

“今からコース一周かけて、人生を一回やってくる感じ、楽しみ”

“楽しいこと、苦しいこと、やりきれば、凄い達成感がある”

○全長 170km  累積標高 12,200m


アンドラ・ウルトラ・トレイルは、ヨーロッパ屈指の難コースで知られている。
制限時間62時間、これを制するものは真の王者だと言われるほどの大会だ。

緩やかな勾配では、まるで飛ぶよう走りだった。

だが、山本が得意するのは下り、しかしヒザへの負荷が増すもの下りだ。

スタートから6時間、この時点で順位は8位。その時



右ヒザが痛くなる。下りに入ると、“リズムに乗れない”
こうなることは分かっていた予想していたよりもずっと速かったけれども。
“付き合って行くしかない、このヒザと”

肉体はジリジリと責められたていた。

だが、山本は知っている。痛みも苦しみのすべて消えていく瞬間がある。
何時か訪れることを。


“すげい~、やばいこれ~” テンションが異様に高かった。走り続けて24時間。

これまで24時間以上、走る続けたことが無い。未知の領域に踏み込んでいく。


下りでは痛々しいほどバランスが崩れていた。
午前8時、140km地点を過ぎたあたりで呂律が怪しくなりはじめた。
肉体が溶け出し、樹木と大地に同化する感じ。

“フクロウ” “これフクロウじゃないじゃん”
(小岩には、コースのマーキングがされている。それを見間違う)


幻覚を見ていた。ランナーズハイ。

野生の自分に会いたいのだと、山本は言う。

極限状態で生きろと本能に背中を押される瞬間、そのために走っているかも知れない。


31時間12分でゴールイン。欧米の強豪がひしめく中で堂々2位。


Tシャツの写真を指差し “私の娘”と。

昂っていた神経がそのTシャツに抱かれてゆっくり静まってきた。

“走ることが、自分自身、僕の生活でもあるし、僕の人生でもあるし、走りがなければ
僕じゃない“

しばらく体は使い物ならない、放課後は家族サービスが出来そうだ。


※山本選手は、本当に楽しくトレイルを走っている。
これからも国内や海外で活躍を期待します。


★ところで、明日は、走る仲間がキタタン(北丹沢12時間山岳耐久レース)に出場します。
気を付けて頑張って下さい。

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2 コメント

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Unknown (キーボー)
2013-07-07 08:45:41
こんにちわ(^^)
私も見てました~~(*^^*)
ヤマケンさん。
格好良かったです。
トレイル、、あんな軽やかにワクワクしながら走れたらな~と、興奮して見ていたので、
あの番組の後、しばらく眠れませんでした(笑)
返信する
Unknown (晴走雨楽 風の又三郎)
2013-07-07 15:52:36
>キーボーさん
そうですよね、楽しくトレイルを
走っていましたね。
肉を食べず、カフェインを飲まないの
は意外でした。

私も、楽しく山を走ります。
今日も里山(高宕山)を走って来ました。

では、では、σ(^_^;)
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