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世界の街角

旅先の街角や博物館、美術館での印象や感じたことを紹介します。

石見銀山展・#1

2017-07-27 06:13:54 | 石見国

開催期間7月14日ー9月3日で、世界遺産登録10周年を記念して<石見銀山展>が開催されている。会場は2箇所で、県立古代出雲歴史博物館と石見銀山資料館である。

先ず県立古代出雲歴史博物館の展示から紹介する。当該博物館の展示は、以下の内容で構成されていた。

〇第1章 銀が世界を丸くした

〇第2章 富の山 セロ・リコ ー世界遺産 ポトシ銀山ー

〇第3章 銀の山ー世界遺産 石見銀山ー

〇第4章 シルバーラッシュと桃山ルネサンス

 第1章は、古代オリエントのリュトン等の銀製品やコイン、元寇、中世の交易ルートや交易船、博多遺跡の出土品展示であった。下の帆船模型は時代的には、約半世紀下った17世紀のガレオン船で、当該ブロガーが組み立てたものである。会場では、堺市博物館の南蛮船模型が展示されていた。 

 

『元宝』と記された銀錠が展示されていた。元寇のころの貨幣である。見ると鋳造が悪いのか、”あばた”で埋め尽くされている。下は、当該ブロガーのコレクションであるが、ターペー通りの骨董店で入手したものである。主人もランナーの銀錠か、中国のものか不詳とのこと。洋の東西に関わらず、銀は主要な貨幣として尊重された。

 

(手前左右の サドル形コインは、中世・ランナー朝で使用された銀コインである)

第2章はポトシ銀山に関する展示で、銀製のアルマジロ形銀器が目についた。第3章は、石見銀山争奪の歴史を示す書画中心の展示と各種丁銀の展示であった。噺は変わるが当該『石見銀山展』の入館券は、その丁銀をかたどったものであった。

第4章は銀と南蛮交易についての展示で、九州国立博物館でも展示されていた亀井玆矩の朱印状が展示されている。

 

現タイ王国の深南部(マレー半島でマレーシアとの国境付近)・パタニ国王に宛てた朱印状で、玆矩の花押をみることができる。

長崎清水寺に奉納された絵馬の下絵といわれている。船体の形状は日本前と呼ばれる中洋折衷式の船体で末次船と呼ぶらしい。亀井玆矩は自前の船を持たなかったと云われており、これらの船をチャーターしたものと思われる。

出雲大社参拝の折に、是非立ち寄られることをお薦めすると共に、石見銀山資料館にも立ち寄って欲しいものである。

                                <続く>

 


ハノイの博物館・美術館・その11:ハノイ女性博物館・#3

2017-07-26 07:32:29 | 博物館・ベトナム

<続き>

今回はベトナムの主要民族・ベト(キン)族に関する展示物を紹介する。何故かキンマ用石灰壺のオンパレードである。

キャップションによれば、ベト族男女の婚礼衣装であったと思う。向かって左が女性用の鳳凰、右が男性用の龍が各々刺繍されている。中国顔負けか?

ベト族が信仰するのは仏教。その仏壇であろうか祭壇であろう。豪華絢爛なぜか華北の寺院のようでもある。

祭礼の際のダシモノのようだが、詳細不明である。今回にて”ハノイの博物館・美術館シリーズ”を終了する。

 

                          <了>

 


ハノイの博物館・美術館・その11:ハノイ女性博物館・#2

2017-07-25 06:25:38 | 博物館・ベトナム

<続き>

前回に続いて展示品を紹介する。先ず北ベトナム北西部・ソンラー省に居住するタイ族の銀製装飾品である。

タイ族も家門・子孫繁栄のシンボルとして多産である魚をオブジェとして用いている。ロロ族の服装。東南アジアの山岳民族の衣装は、黒が基調のものが多いように感ずるが、どうであろうか。

チャム族の土器製作場面がビデオ放映されていた。面白いのは粘土紐を積み上げる段階では反時計回り、成形段階では時計回りで陶工の女性が移動している点である。

ベトナムの最大民族であるベト(キン)族に関する展示品は、次回紹介する。

                            <続く>

 

 


ハノイの博物館・美術館・その11:ハノイ女性博物館・#1

2017-07-24 07:42:47 | 博物館・ベトナム

<続き>

女性博物館は、ホアンキエム湖を南へ3筋目のリー・トゥオンキエット通りに面している。

何でもあり・・・とは、やや大袈裟な表現だが、実に多様な展示がなされている。銀錠は漢字が刻印されている。中国からのものか、ベトナムのものか・・・、キャップションは存在したと思うが、記録しておらず不明。瑶(ヤオ)族の風水書。ヤオ族は漢字を用いる。漢族の影響を大きく受けている。キャップションによると、モン(Hmong・苗)族の婚礼衣装とある。下の壺は酒壺とある。チャンパ陶磁とも思えるが、安南陶磁についてはど素人なので産地は?。これにストローを差しこみ、多くの人が飲酒する。婚礼の場面にも用いられたであろう。

そのような場で用いられたのであろう、明代の染付碗も展示されていた。

同じくモン(Hmong)族の赤ちゃんをオンブする、伝統の”おんぶ紐”が展示されている。

民族名は記されていなかったが、ソンラー省で用いられている蒸器で”おこわ”を蒸す。下の二重口縁の蒸気発生容器は金属製、上の甑は木製である。

実に多彩な展示であるので、残りは次回紹介する。

                                <続く>

 


ハノイの博物館・美術館・その10:ホアロー刑務所博物館・陶磁資料室

2017-07-21 07:24:11 | 博物館・ベトナム

<続き>

旧・ホアロー刑務所が現在は博物館となっている。この地に刑務所が建てられる前は窯業地であった関係から、出土陶磁の展示室が設けられている。

展示品をみると、種々の陶磁が焼成されていたようで染付、白磁、褐釉薬、焼き締め等々、皿、碗、壺、瓶をみる。さらに重ね焼きのための蛇の目の釉剥ぎトチンの目跡など、実にバラエティーに富んでいる。

                                <続く>