世界の街角

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聖なる鳥ハムサ・その2

2017-07-13 06:44:29 | 東南アジア陶磁

<続き>

過日、調べもののためネット検索していると、『日本すきま漫遊記』なるブログがヒットした。ブロガーは若い人のようで、ミャンマー・カレン州のパアンに足しげく出張しておられるのか、それとも滞在中の方と思われる。カレン州の寺院は漏らさず参拝されただろうと思われ、寺院参拝記がすばらしい。それらを丹念に見ていると、先端に鳥が載る石柱の写真が掲載されていた。アショカ王柱に倣ったものなのか?

ブロガー氏によると、この鳥はオシドリ(ヒンダ)で釈迦の前世の生まれ変わりと記されている。ジャータカには釈迦の前世譚が記され、多くの鳥に生まれ変わった。生まれ変わった鳥は孔雀、雉、鵞鳥、鷲、鸚鵡、鵜、烏、キツツキとオシドリである。前記ブログでこの石柱の鳥を見たときは驚きを覚えた。寺院により1本の石柱と2本の石柱があったり、1本の石柱でありながら対の鳥が載っていたり単鳥もある。写真を掲載したいが無断と云う訳にいかないので、スケッチを掲げておく。

 (向かって右がハムサ、左は孔雀であろう。この組み合わせにも何か意味があろうと考えるが、それを知る術が見当たらない)

中国深南部の少数民族や朝鮮半島の鳥竿のようにも見え、北タイの国の柱(サオ・インターキン、ラック・ムアンとも呼ぶ)にも見える・・・まさにこれは何だと云う想いであるが、これはモン(MON)族の聖鳥・ハムサであろう。流石モン族の故地との想いを抱く。

噺が逸れるのをお許し願いたい。先の『日本すきま漫遊記』掲載の2本の石柱が気になる。記憶を手繰るとバンコクのラック・ムアンも2本柱である・・・これは何ぞや? 

(写真はグーグルアースから借用した。王宮に近いところにラック・ムアンの祠がある)

長い柱はラーマ1世が奉納し、短い柱はラーマ4世が奉納したものと云われている。してみれば、この2本ある柱に特別な意味はなさそうであが、ミャンマー・カレン州の2本柱の場合はどうであろうか・・・噺が逸れて失礼致したが、今回はここまでとしたい。

 

                                  <続く>