新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

2022年の回顧、国外編

2022-12-30 09:24:53 | コラム
PXの年だった:

22年ほど海外からの脅威というか、我が国の安全を危うくさせるような出来事が多かった年はなかったと感じている。その辺りをPutin大統領の“P”と習近平主席の“X“を使って表してみた。PXとは戦後間もなく東京都の方々に設置された進駐軍の施設の売店“PX”(Post exchange)にかけてみたという言うなれば遊び心もあるが。

ウラジーミル・プーチン大統領(Vladimir Putin):
プーチン大統領については既に「極悪人」との敬称を奉っておいたが、彼は22年をこれほどまでに混乱させ、UNが如何に無意味な存在であるかをあらためて立証し、世界にはPX率いる専制主義国家に加担する国の方が民主主義国よりも多かったと暴露し、世界のエネルギー事情を混乱させ、アメリカを始めとする多くの資本主義国にハイパーインフレーションを生じさせ、何時終わるかの見通しが立たない侵攻を続けているウラジーミル・プーチン大統領の年にしてしまったのだった。

1945年の終戦を中学1年生で迎えた私には、アメリカというのか進駐軍とするのか知らないが、あの平和憲法を施行させられた為に軍備無き乃至は本格的に自国を防衛すべき真の意味での戦力もない國になっていたことが、これほど不安にさせられるものかを、イヤと言うほど再認識させられた年になってしまった。中には「ロシアが何時北海道を奪いに来るかも知れない」との警鐘を鳴らした専門家もおられた。

「脆弱性」という表現を屡々聞かされる時代であるが、我が国がこれほど多くの面に「脆弱性がある」と知らしめてくれたのが、プーチン大統領のウクライナ侵攻であり、それに対して敢然と制裁を仕掛けた民主主義と資本主義の旗を掲げた我が国も所属している「西側の諸国」だったとは、誰が予想出来ていたのだろうか。とは言うが、我が国には「返り血を浴びるような制裁を科すことが得策か」とまで言われた外交の専門家がおられた。

私はこのプーチン大統領が仕掛けたウクライナ侵攻にその時々の情勢ついての中間報告と、専門家の分析等は古い言い方で恐縮だが戦時中の「大本営発表」と何処か違うのかと見ているので、マスコミが幾ら懸命に採り上げて報じてくれても一切見てもいないし、気にかけていない。それは「プーチン大統領がおいそれと諦めることなど考えられない以上、結果が出てしまうまでは予測も予断も許さない事態だ」と思っているからだ。

言葉を変えれば、PX連合軍が「我に利非ず」と判断して戦列を離れることなど考えられないし、ゼレンスキー大統領がセーター姿でバイデン大統領と会談し、アメリカ議会で演説しても、私が知る限りでは「あの服装」を批判的に報じた専門家や報道機関はなかった。私は如何に何でも「過剰な演出だ」と見えて仕方がなかった。

私にはあれはゼレンスキー大統領の考えに考えた演出だったように見えたが、あの訪問によって世界を「帰りようがない川を渡って」二分させてしまった、PX連合軍の思う壺だったようにすら感じてしまった。このプーチン侵攻が何時の日か終わったとして、ここまで二極化されてしまった世界がどうなっているかは気懸かりだが、自分がそんな(遠い?)先まで存命とも思えないので、考えても無駄だと思っている。

習近平国家主席(Xi Jinping):
3期目に入った習主席(69歳)は言わば全能の神の如くに国を動かし、世界を思うが儘に操る力を得たかのように動き出した。彼の前にはバイデン大統領も、EU諸国の首脳もNATOも立ちはだかることなど許さないかのような独善的な行動を取っている。彼の視野には台湾の収奪や我が国の属国化などは小さな目標にしか過ぎず、PX連合での世界制覇しか眼中にないかのようにすら見える。

その勢いによって脅かされているのが台湾有事であり、故安倍晋三元総理が指摘された「台湾有事は我が国の有事」だと思っている。その中国は習近平の指揮の下に先ずは尖閣諸島を脅かすだけに飽き足らず、我が国を含めた他国に実質的な警察所を何時に間にか設けているし、国防総動員法だったかを施行して「海外に居住する中国人は一朝事あれば、工作員として活動すること」まで定めている。「我が国に何十万人の中国人が居住していると考えても見よ」なのだ。

マスコミ報道によれば、林芳正外務大臣は「親中派」だそうだ。何も林氏に限ったことではなく媚中派だって幾らでもいるかのようだ。「怪しからん売国奴」などと怒って見ても仕方がないことではないかという気がする。何も我が国だけのことではなく、アメリカも「サプライチェーン」としての中国に依存せざるを得ない点が多々あると聞くし、我が国で何も非耐久消費財に限ったことでもないが、何か買い物をすると「中国製」のタグが付いている。私には今更「中国依存は・・・」などと唱えて、何処まで実効性があるのかと不安になる。

私には矢張り「平和憲法が中国をして日本を攻め落とすのは容易だ」としか見させてしまったとしか思えないのだが、憲法改正に立ち塞がる新聞社も野党も後を絶たないので困る。岸田内閣は立ち上がって三文書を発行されたし、防衛予算も(「増税によって」とは言われたが)2(3?)年後だったかに2%に増額すると決定された。中国からは直ぐに批判の声が上がった。中国の反発などは当たり前すぎで報道する価値などないのだが、マスメディアは飛び付いた。情けないこと。

何年前だったか、ドナルド・トランプ氏が再選されるかどうかを巡って出てきた冗句にも等しい話に「再選を望んでいるのが金正恩で、絶対に希望していないのが習近平」というのがあった。最大の敵アメリカで習近平の望むところだったトランプ氏以外のバイデン氏が選ばれたのだから、習近平は「怖い者無し」の春を謳歌しているのかも知れない。桑原桑原。



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