新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

11月の回顧

2015-11-30 10:09:25 | コラム
多忙だった11月も本30日で終わる:

如何に体調が回復軌道に乗っていたとはいえ、自分でも不安になるほど今日で終わる11月は多忙だった。通院や昼食会や懇談会や勉強会等の他に散歩と買い物に近所まで出たことを含めて、外出しなかった日は5、23、29の3日だけになるだろうという状態だった。これは本日も外出の予定があることを意味するのだ。

昨29日は好天には恵まれたが、敢えて何処も行かずテレビでのスポーツ観戦と読書で過ごしていた。読書とは専門商社の知人が貸して下さったベスト新書で著者が杉浦大介氏の「日本人投手の黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」で、未だ読み切っていないが中々興味深い内容だった。アメリカでは”WHIP”という一回毎の被安打と與四球の率で投手を評価しているとされている辺りにはかなり勉強させられた。だが、残念と言うか何と言うべきか、題名に堂々と当方が忌み嫌う誤ったカタカナ表記の代表的存在の「メジャー」が入っているのには言葉を失わずに、ここに真っ向から批判しておきたい。あれは「メイジャー」である、念の為。

スポーツ観戦では男女ともにゴルフで又もや韓国人に優勝をさらわれていったのは忘れることにして、知らずに最初から見ることになった「桜セブンズ」という女子の七人制ラグビーを採り上げたい。これは中継があるとは知らずにゴルフの負けっぷりにウンザリして変えたNHKのBSで偶然に見たものだった。七人制はテレビのニュースで良いところしか見たことがなく如何なるゲームかの知識もなかったので、これは幸運だった。

実は、見始めた瞬間にかなり勇猛果敢に動いているので男子の試合かと思ってしまった。それほど体格に優れているカザフスタンと対等に戦っているように見えたのだった。その点では、中継があるとは知らずになでしこリーグを見た瞬間に「男子の高校生の試合?」と思わせてくれるほど小さく見えるのとは大いに異なっている印象だったのは素晴らしくもあり、サッカー出身者としては残念でもあった。

前後半とも10分の試合は短くて飽きが来ないのも良かったし、お陰様でかの女性たちがオリンピックの出場権を獲得して喜び合う姿を見ることが出来たのは大いに欣快とするところだったし、「七人制」とは如何なるゲームかもかなり十分に把握することが出来たのも良かった。また、今日の産経ではあの女性たちが皆仕事乃至は職業がありながら年間200日にも及ぶ練習を重ねてきたとあったことにも、恐れ入っている次第だ。中には商社をオリンピックが終わるまで休職にしている人すらおられるようだ。

あの競技で最も重要な要素と見えたことはあれほど広いグラウンドに7人しかいない以上、ラインを突破されてしまうと15人制のように最後の守りになるFB(フルバックのことで、五郎丸君の守備位置である。そうです、彼の本職は最後の砦でもあるのです。フットボールでは「セカンダリー」等と言いますが)が実質的に不在なので、トライを取られてしまう危険性が極めて高いと見えた。現に桜セブンズの小出さんが決めた決勝のトライなどは、巧みなステップとカット走法で抜けた後は無人の野を行くような勢いだった。

その他にも重要な要素だと思ったことは、7人の誰でもがある程度以上の体格と体力と身体能力と走力を備えていなければならないということだった。僅か7人しかいない以上、何時何時自分が15人制の11番か14番のウイングのように相手のディフェンスラインを抜けて走りきる場面が回ってくるか解らないからだ。彼女たちにはその能力が十分にあると見えた。

次は戦法だが、カザフスタンが後半開始とどうに攻め込んできたように、敵陣深くパント・キックを蹴り込んで、それを追いかけて捕りそのまま走りきるか、たとえタックルされても追いついてきた味方にパスできればチャンスが広がるというものだった。このパント・キック戦法を有効にする為には全員に走力が必要となるだろう。即ち、ラグビーはフットボールと異なって「前にパスを投げること」が反則なので、このキック戦法はフットボールの縦一発のパスやサッカーの古き良き時代の「キック&ラッシュ」にも似たものがある有効な手立てだろうと思う。

猛練習の成果が上がって見事に勝ち上がったことは幾ら褒めても褒めたらないくらいだろう。そのティームへの献身的努力と私生活を犠牲にしてまであそこまで到達した気力には感心するだけである。でも、私が疑問に感じることは「何故、マスコミは猛練習を礼賛するのだろう」という点だ。それはやって不思議はない普通のことであって、経験上も言えるが「それ以外に何か絶対的な手法でもあるのか」なのだ。特にラグビーとなると何か美徳のように言うのは、一寸だけ違和感が残る。

彼女たちは「オリンピック優勝するのが目的だから、これから先に一層の努力をする」と言っていた。その意気や誠に良しである。余計な心配をすると「彼女たちの合宿費や生活費や遠征の費用等はどうやって賄われるのだろうか」なのである。女子のサッカーでもプロとして生計が成り立っているのは澤穂希を始めてとして一握りだと聞いている。あの女性たちには後顧の憂いなくして上げねばならないのが貴方の数少ない仕事なのですよ、森喜朗さん。



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