新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

オリンピックの空港の水際作戦が修正された

2021-06-28 08:35:03 | コラム
空港でも濃厚接触者の判定を実行する:

私はこの修正は「文化比較論」の範疇に入るかと思うと同時に、論語の「過ちて則ち改むるに憚ること勿れ」に則って、各国の選手団が空港に到着した際の検疫(と言うか検査か)の手法が、ウガンダの選手団における言わば失態に懲りて、早速修正されたのは“Better late than never.”で、大変結構なことだと思う。即ち、新たに空港でも濃厚接触者の判定を下せるように改正したと、本日早朝のテレビのニュースで知った。

察するに、修正前の方式は「出発72時間前のPCR検査での陰性の証明書の提示、空港検疫での抗体検査の実施で陽性者が出ればその場で隔離、その空港から用意されたバスで合宿地等への直行」だったようだ。なお「到着後の毎日の検査で陽性者が出れば、地元の保健所が濃厚接触者の判定をする」となっていたそうだ。ここまでが大変結構な方式に見えるが、空港で濃厚接触者は判定しないように出来ていた。マスコミ報道では「濃厚接触者の判定は保健所の管轄であり、空港には保健所員は駐在していなかった」となっていた。

私はこの報道を聞いて「なるほど。如何にも我が国らしい方式を選んだものだ」と感じた。その根拠は「我が国とアメリカの文化と思考体系の違い」が現れたのだと解釈したからだ。それ故に、保健所員を空港に常駐させなかったことを「手落ちだ」と責める気はないという事。それは、我が国の考え方では「空港で濃厚接触者の判定が必要となる事態を想定せず」水際作戦を立てたのだろうと読んだからだ。アメリカ式の物の考え方では「濃厚接触者の判定が必要となる事態は想定できないが、万一を考えて保健所の出張員でも常駐させておこう」となったと思うのだ。

そういう思考体系の相違が、何と2番手(だったとして)でやって来たウガンダの選手団の場合に「万に一つかも」の事態が生じたのだった。それを「縦割り行政がどうの」などと非難するのは簡単だが、現時点ではそんなことにかまけている場合ではない。現実には間もなく、ウガンダの選手団の数十倍の選手とスタッフとやらが続々とやって来るのだ。そうであれば、濃厚接触者の判定を下す必要が生じると想定して、態勢を整えておくべきなのだ。最早「モグラ叩き」のような事後修正は許されないのだ。もしかすると「百万が一」の事態でも想定しておかねばならないのだ。

それは、ウイルス以外の病気の患者が到着して「医師の診察と診断を必要とする事態が起きないとは言えない」のではないか。またまたアメリカの例を挙げるが、フットボールの大型のスタジアムには万が一に備えて、外科医は勿論駐在しているしX線やCTの装置もあるし、内科医も用意されていると聞いている。選手だけではなく、観客の中からいつ何時心筋梗塞等の循環器系の病気が生じるかも知れないのだ。と言うことは、結局はどれほど投資をして備えておくかの問題でもあるのだ。組織委員会とかは、アメリカのそういう点まで視察でもしてあったのかと疑いたくなる。



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