新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

WBC野球の第一戦観戦記

2023-03-10 07:27:30 | コラム
中国に勝ったと言って喜んでいる場合か:

野球だろうと何だろうと、当方は「技術のほどを観て楽しむことを優先している」のである。勿論、勝ったか負けたかも重要だが、日本の選手の活躍に酔いしれているファンとは違う冷静なる評論家として言うのだ。

そういう次第だから、手放しで「勝った、勝った」と喜んでいるマスコミ報道とも一味も二味も違うことを言おうと思うのだ。

昨夜の中国との第1戦を観て、正直に言って何となく不安に感じていた「既にオーストラリアに負けて手負いとなってしまった韓国に勝てるのか」と。「何故、君は何時もそう否定的なことを言うのか」と、嘗てウエアーハウザージャパンの社長だったフランクリン氏に言われたが、A型としてはどうしても問題点が先に見えてしまうのだ。

当方の精一杯善意からの見立てでは「中国の作戦は7人だったか使った投手たちには、何が何でも真っ直ぐは精々130km台の速度で良いから低めに投げ、変化球(チェンジアップが主体だった)でカウントを取れ」との指令が出ていたとみている。

結果として制球力が整っていない彼らは17個もの四球を与えたが、ヒットは9本しか打たれず、8失点で終わったのだった。打てない我が方の打者には不満が残った。

この作戦に遭った日本の打者は、何時まで経ってもまともに打てる投球が来ないので焦ってしまい、大して球威もないチェンジアップに引っかけられて凡打をしていた。

あれだけ多くの投手たちが高めに投げた失投は、記憶する限りでは不振を極めている山田哲人に代わって出ていた牧がライトの観覧席に打ち込んだホームランの時だけだった。言うなれば、130km台の真っ直ぐの遅さに狂わせられていたとしか見えなかった。

他の駄目だった例を挙げれば、村上宗隆などはリーグ戦最終の頃の不振から脱却できていない模様で、何も苦手とするインサイドに落ちる球とアウトサイドからボールになるスライダーが来なくても、凡打を繰り返していた。大谷翔平君も練習試合の時と同じで、低い球に崩されながらも長打を打って見せてくれたが、未だ本格的なホームラン打者と言える調子になったとは見えなかった。

投手・大谷翔平君も観察していた。戸郷翔征にあれほど抑えられた中国の打者から三振を取り切れていなかったのは「未だ調整不足で、リリースポイントが安定していないので、投球がバラついていた」の不安材料だった。だが、中国の打者にはそこに付け込めるほどの実力がないので、ヒットを1本打たれただけで終われたのだ。

彼が試合前のインタービューで「十分に仕上がっている」と語ったのは、おかしいと思って聞いていたが、あれは「大丈夫だ」と自分に言い聞かせていたのかと疑う。

全体としての印象は「ドラゴンズやタイガースとの練習試合で見せていた『仕上がり不十分』な状態が未だに解消されておらず、ヒットを9本しか打っていなかったのは「打てなかった」のではなく「未だ、仕上がっていない次元から抜けていない」と見ている。なお、居合わせた二男の意見は「大谷は初めて組んだ甲斐捕手との息が合っていないのではないのか」だった。

そこで、今夜の韓国戦だが、韓国の選手たちは「如何なる競技でも、相手が日本となると持っているだろう力以上の何かを発揮して挑んでくるので、仮令ダルビッシュ君が投げようとも油断はならないのだ」と思う。しかし、65球の制限があるので、昨夜と同様に優秀な中継ぎ投手を惜しみなく注ぎ込めば、韓国を抑えきれるとは思う。

問題は「もしかして中国の軟投派の投手たちに狂わせられてしまったかもしれない打線にあるのでは」と思う。当たっているのが近藤健介だけでは頼りない気がする。

韓国にはダルビッシュ君が65球を投げきって、大谷翔平君が崩されずにホームランを打ってくれて勝つことを期待しよう。アメリカから両親が来ていたというヌートバー君の評価を定めるのは未だ早いと思う。



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