新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

NPBのミズノ製ボールの問題点

2014-04-16 07:38:45 | コラム
ミズノの管理能力に問題が:

私は再三この件を採り上げるが、ボールの反発係数問題にはさしたる関心がない。昨日、ミズノが記者会見して原因を説明して謝罪していたのを聞いて、まるで一頃のアメリカのような「自らの非を正直に認めようとしない文化と同じだ」と感じた。あの社長の如何にも謝罪しているようで責任逃れをする姿勢に些か疑問を感じた。

何度も言ってきたことだが、アメリカには謝罪の文化はない。最大限の謝り方の"I am sorry."という全面的に責任を負う危険がある表現を使わず、精々"I regret ~."が限度である。これは「かかる事態が発生したことは遺憾である」と言っているだけで、損害の補償にまで責任を持つとまで踏み込んでいない。

関西に本拠を置くミズノもその文化を持っているようだ。「ボールの芯に巻くウールの糸の含有水分が不足したのは、加湿器を一晩中回すとタンクの水が切れるから止めて作業をした」との上海にある工場の代弁のようなことをシレッとして言ってのけた。これは自分たちの現地工場での管理能力不足を問われないように他人のせいにしたと、私には聞こえた。あれで通ると思っているとしたら凄い感覚であると言わざるを得ない。

私は「これでは危ないと解っていただろう」と疑っている。それでも、推定すると彼等は「それを承知で発送していたこと」になる。まさか、現地の工場に反発力を検査する人員なり設備なりがなかったとは思えない。全品とは言わないが抜き取り検査くらいしなかったのか。もしかしてする気がなかったのかと問いたい。

それで、今になって2,300ダースだかの在庫を検査して合格品を使って貰うなどという神経の太さを見せた。私は国産ではなく中国に工場を置いていた感覚の凄さにも感心した。あの場では「既に生産現場では万一の場合の品薄に備え、全力で正規品の生産を開始した」というのが正常の管理能力だと思うのだ。

張本勲は13日のTBSの番組で「世界中で同じ球を使うべくアメリカから持ってきたら」などと言っていた。これは見当違いだが、仕方がない発言だと思う。アメリカが果たして国内生産か何処か外国で作らせているか知る由もないが、彼等の管理能力が我が国は言うに及ばす中国よりも優れているとは到底思えないので、アメリからの輸入は回避する方が無難だ。

何れにせよ、私は「ミズノの管理能力の欠陥は厳しく追及されるべきだし、NPBもコミッショナーの入れ替えだけで事を済ませた経営と管理の能力を反省すべきだ」と思う。要するにミズノという企業の文化の問題だ。


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