新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月8日 その3 虚を突かれたような気がした

2020-09-08 09:30:03 | コラム
ホテルを避難所に:

今回の台風10豪の襲来に備えて、九州の何処かは失念したが、住民の方がホテルを避難所に選択されたとの報道に接して「なるほど、そういう手があったか」とその着想には大いに感心させられた。物の考え方の抜け穴を衝かれた感があった。その辺りを二男と語り合ったのだが、彼の見方は「行政にそういう発想がなかっただけだろう」だった。新型コロナウイルス感染者で軽症というのか何か知らないが、ホテルを借り切ってそこで療養して貰うという手法が採られていたのだったら、避難所として地方のホテルの借り上げは出来たのではないかと感じた。

ホテルの活用はそもそも人の移動が実質的に制限されていたし、台風の襲来があれほどの規模で警告されているときに、九州地方への出張者や観光客が数多く来るとは思えないので、苦境に立たされている宿泊業者への救済策にもなるのではなかろうか。同情的に見れば、地方の行政機関にそこまでの着想がなかったのだろう。私は以前から指摘していたが、何故学校の体育館が安全であるのか、何故毎年台風が来ると承知しているにも拘わらず、何らかの避難所の対策が改善されていなかったのかと、関係が無い場所に住んでいるので、勝手なことを言っていた。

一部の報道では「イタリアの行政機関は平時に多数の仮設トイレを準備して万一の事態に備えている」というのもあった。私はこれは重要な問題だと認識している。そういう諸々の点を考えるときに、ビジネスホテルを含むホテルや高台にある旅館等は、体育館や公民館等での段ボールで仕切られた床でのごろ寝よりも遙かに条件が整っていると思う。何処かの局はホテルが停電したと強調するかのような伝え方をしたが、停電は何処にいても同じ条件であり悩まされるだろう。また、もしかしてホテルならば自家発電くらい準備しているかも知れない。

私は毎年のように何度も災害に襲われる九州地方の方は本当にお気の毒だと思っている。未だ梅雨の期間中の豪雨の被害の後始末も出来ていない間に9号と10号に襲われたのでは、手の施しようながないだろう。行政も本格的に次に来る災害への備えまで手が回らないだろう。そう思うときに、ホテルを活用するまでに思いが至っていないことを責める気はない。もしも行政に出来ることがあれば、政府にでも掛け合ってそのホテルの宿泊代を公費で負担するくらいは出来ると思うが、如何なものだろう。




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