新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

カタカナ語を斬る

2021-02-08 14:47:45 | コラム
奇妙なカタカナ語を使うのは好い加減にしよう:

本8日は早朝から折角のスーパーボウルの中継を犠牲にして、国立国際医療研究センターに採血・採尿と心電図の検査に大特急で行ってきた。その甲斐あってか午前10時少し前に帰宅すると、前半が終わったところで、後半は落ち着いて観戦できた。それはそれで良かったのだが、ハーフタイムショーの間は他のチャンネルを見ていると、相も変わらず森喜朗氏の発言がどうのとか、早く辞任させて後任をというような話ばかりで、その間にも私が忌み嫌う奇妙なカタカナ語が飛び交っていた。関西風に言えば「アホか」である。

そこで、本日は方向を変えて、カタカナ語のおかしさを幾つかの例を挙げて、思い切り斬ってみることにした。この話題は何度取り上げても良いと思っている。

順序不同で行くが、先ずは「モデルナ」から行こう。このアホらしさはと言えば、アメリカでの社名は“Moderna”であるにも拘わらず、カタカナ語製造業者は「モデルナ」にしてしまったことだ。このことは既に批判してあったが、生憎とアメリカ人たちに「モデルナ」とは発音しないと確かめてはいなかった。ところが幸運にも、そこに昨日何処かのチャンネルでコロンビア大学医学部の加藤教授だったかにインタビューしていたら、教授はハッキリと「モダーナ」と発音しておられたので安心した。

「モデルナ」になる訳がないのだ。解りやすくする為に言って置くが“never”という単語を「ネベル」と発音するかという事だ。「レムでシビル」も既に槍玉に挙げておいたが、英語の表記は“Remdesivir”だった。製造業者どもは何の根拠があってこれを「レムでシビル」としたのだ。「レムデシヴァー」だろう。そこで尋ねるが、”virtual“という単語をチャンと「バーチャル」としているが、何故「ヴィルチャル」にはしなかったのか。不統一ではないか。

「ストレス」の使い方もおかしいのだ。マスコミがこの程度の知識も無しに「緊急事態発言発出下で家に籠もらざるを得ないのでストレスになる」と馬鹿なことを言うのだ。故に、我が国の至らざる英語教育の元で育った方は素直に「ストレスだ」、「ストレスが溜まる」と言ってしまうのだ。チャンと辞書くらい引けと言いたくなる。この状態は、寧ろ外出できない欲求不満であるから“frustration”というのが正しいと思う。“stress”をOxfordで見れば“pressure or worry caused by the problems in ~’s life”とある。家に籠もれば圧力を受けたり、心配になるのか。チャンと教えておけよ。

余り沢山の例を挙げると焦点がボケそうなので、最後にローマ字読みの弊害を挙げておこう。テレビに登場される立派な教養あるお方でも平然として“security”を「セキュリティ」と言ってのける神経と英語力のほどが解らない。如何なる辞書を見ても発音記号をカタカナ書きすれば「セキュアラテイー」が最も原語に近いのだ。それにも拘わらず製造業者と無教養なテレビ局の連中は辞書を見たこともないらしく「セキュリティ」と言うし、私から見れば「セキュリティ」と言えと出演者に強制しているのかと疑っている。嘘の読み方を辞めろ。

その点では“holiday”も同様である。Oxfordでも「ハラデイー」に近い発音記号が出ている。アメリカには「ホリデーイン」というホテルチェーは存在しないが、「ハラデイーイン」ならある。プロ野球でもJリーグでも”rookie“=「ルキー」と呼ばれる新人はいるが「ルーキー」はいない。言っておきたいことは「何処の世界に”book“と書いて「ブーク」というか、”look“という単語を「ルーク」と発音する者がいるのか。我が国のカタカナ語だけだ」ということ。一刻も早く訂正せよ。

もう一つ言わせて貰う。「トラブル」=troubleを「揉め事」や「故障」の意味で使うのは絶対的に誤りだとまでは言わないが、日常会話ではこの意味に使うのは極めて希だ。また、今や定番になってしまった「自己ベスト」もおかしいので、私ならば「自己最高記録」と言うだろう。私が危惧していることは、この儘放置しておくと日本語が破壊されて、表音文字ばかりの奇妙な言語に成り果ててしまうことだ。

カタカナ語を幾ら使おうと勝手だが、一度で良いから元の英語ではどのような意味であるかをよく調べてから使って欲しい。何度でも同じ事を言うが、「こんな言葉を平気で使っていて、あるいは使わせていて、国民の英語力を強化しよう何ていうのは、飛んだ戯言だと知れ。製造業者(何処かの通信社か?)は深く反省せよ。



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