新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

“jinx”

2022-05-28 08:39:24 | コラム
運が悪かったでは済まされない:

昨27日は国立国際医療研究センター(NCGM)に午前9時からの検査と診察の予約があったので朝食抜きで、新大久保駅発8時20分のバスに乗ろうと出発した。外に出てみると、室内から見えていたのとは大違いの冷たい雨が本降りで風も強く「何でまたこんな日に出掛けねばならないのか」と、我が身の不運を嘆いていた。

と言うのも、1月に大雪の翌日に滑りやすい雪道を怖々歩いてNCGMに検査に出掛けていったときの結果が極めて悪かったので、主治医に「要注意である」と警告されてしまった。今回もまた悪条件が妙な結果をもたらさなければ良いがと、怖れていたのだった。しかも、採血では何時もの25%増しの量を取られることになっていたとは知らなかったのだった。無事に全てが終わって10時6分のバスで調剤薬局を経由して帰宅するときは傘を差していられないほどの吹き降りだった。運が悪いなと痛感した。

朝食抜きと25%増しの採血の結果か、帰ってみれば疲労の色濃く、ソファーでグッタリと横になっていた。何気なく点けたテレビはNHKのBSになっていたようで、大谷翔平のエンジェルス対ブルージェイズを中継していたようだった。聞こうとも思っていなかった音声では「大谷翔平は5失点で交替した」というようなことを伝えていた。私は「今シーズンの大谷には何となく冴えがないな」と見ていたし、あの様子ではもしかして「2年目のジンクス(jinx)」とやらに取り憑かれているのではないのかと考えている。

この「ジンクス」とは何時の頃からだったかプロ野球選手たちが「初年度に活躍した場合に2年目に不振に陥ること」を称して「2年目のジンクス」と報じるようになって広まったカタカナ語だと認識している。大谷翔平君の場合にこれを適用するのが適切かどうか知らないが、昨年のMVP他十指に余る賞を獲得したので、各方面から「打たせまい。投げさせまい」と研究し尽くされて、その翌年になる今シーズンはそれほどの大活躍が出来ないのではないかと言えるのではないかと、懸念しているのだ。

大谷翔平君のプレー振りは偶にしか見ていないが、そこにある風景は殆ど打てるところには投球がないこと、三振が多いこと、審判の判定の不満の仕草をしてみせることが目立っている気がする。特に審判の判定に不満を示す態度は彼らを敵対視したことになるので、アメリカで不利になると聞いている。解説者たちも言うが「どちらとも言い難い微妙な投球を見逃すとストライクと言われることになってしまう」ようだ。金村義明は「不安はない」と言うが、私は「大活躍の翌年のジンクスでなければ良いのだが」と心配している。

この「2年目のジンクス」という点では、オリックスの昨シーズンのホームラン王だった杉本は、未だに2割台前半の低打率でホームランは2本だけ。彼は苦節何年かで漸く花が咲いたのが去年で、今年は本当の意味での2年目だ。同じようなことは、この球団の紅林にも言えそうだ。今や二軍落ちである。ヤクルトも奥川も昨年日本シリーズなどで大活躍だったが、今年は故障中だとかで姿を見せていない。Oxfordにはjinxはたった一言“bad luck”とある。即ち、“~ that is thought to bring hard luck in a mysterious way”となっている。

高齢者は回顧談をすると言われているが、96年に上梓した「アメリカ人は英語がうまい」では「アメリカの会社などに即戦力と評価されて好条件で入社すると、兎角目一杯の働きをして好成績を挙げたりするものだ。すると、2年目には年俸は上がるが当然のことで初年度以上の働きを要求される。だが、初年度で既に目一杯だったので、息切れして倒れてしまうことになりかねないので要注意」と述べていた。

要するに、アメリカのファンたちは大谷翔平君に昨年以上の大活躍を期待しているのではないか。そして、彼も精一杯頑張って昨年以上の数の賞を獲得しようと懸命の努力をしているのではないのだろうが、それがもしかして過剰な負担にでもなっているのではないか。リアル二刀流などと言って持ち上げているのは誰だ。私は「彼らマスコミが騒ぎすぎない方が良い、余計な期待をしない方が良い」と何度も指摘してきたではないか。

なお、私の持論は「ついているか、ついていないのも腕のうち。ツキ《運》を腕で消さないようにせねばならない」なのである。



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