新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

続・某大学教授と懇談した

2023-09-14 08:10:30 | コラム
「先生、添付ファイルって何ですか?」:

これは、昨13日に教授と「時代」を語り合い嘆き合った時に出てきた、一例じゃなかった、いくつかの例の中の一つ。聞かされた私も思わず「へー。そういう時代でしたか」と、何と言って衝撃を表したら良いかと、咄嗟に言葉が出なかった。

それは教授が学生たちに「リポートはメールでも添付ファイルにして送ってくれても良い」と告げたところ「先生。添付ファイルって何のことですか」という質問が返ってきたという話。私には直ちに理解できなかった。教授の解説では「現代の学生の世代は、携帯電話と言うよりもスマートホンを親指で操って育ってきたので、タブレットは使うが、最早PCは使っていない。故に『添付ファイルとは?』となってしまったのだ」となっていた。

「成る程」とは理解できたが、孫がいない当方には「時代の流れ」というか「時代が変わったのだ」と痛烈に感じさせられたのだった。以前に、もう60歳代の半ばを過ぎた元商社マンには、大学在学中の息子さんは「もうPCも車も要らないと言われた」という時代の移り変わりを聞かされていた。だが、添付ファイルを知らない若者がいる時代になったのかと、我と我が身の老化というか時代遅れをあらためて認識できた。

10年以上かもしかしてもっと前だったかもしれないが、ある大学で講義の機会を与えられた時のことを思い出した。それは、話の中で黒板にスラスラと筆記体で英語の解説文を書いた時の事だった。反応がもう一つだったし、何となく当惑したような表情の学生が数多くいたのだった。でも、無視して話を続けた。後で別な機会で知ったことは「現代の生徒と学生は筆記体を知らないというか読めない」ということ。「知らなかった!」

昨日も教授にその昔話を回顧してみた。教授の解説は「現代の子供たちはスマホとタブレットで活字体のアルファベットに馴染み、自分で文章を書く時でも親指でスクリーンに現れる活字体に触れれば事が済んでしまう。我々の世代のように手書きで筆記体を使う機会は先ずないのだ」ということだった。筆記体を苦手としている世代だとは承知していたが、そういう事情があったとまでは考えは及んでいなかった。

実は、私は先月にらくらくスマートホンが1年10ヶ月間に2度も故障したので諦めて、息子たちの指導の下にiPhoneに機種変更していた。ところが余りに勝手が違うので苦戦しているのだ。そこで「固定電話を持ち歩いているのだ」と割り切るようにしている。この件を教授に告白したところ「同じように考えている」と言われた。だが、偶々必要があったLINEをどう扱えば良いのかを、教授に指導して頂いた。

その指導者の教授も「私だって教え子たちに教えて貰って覚えただけですよ」とのことだった。これも「時代」を感じさせられた出来事の一つで、大いに勉強になった。90歳ともなれば、時代に追いつくのは容易ではないのだ。このブログ更新が終わったら、電池の残量を確かめねばなるまいと思う。そう言えば「回る、回るよ、時代は回る」とかいう歌詞の曲があった。



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