新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

街には未だデフレの風が吹いていた

2016-04-29 17:07:15 | コラム
暫くぶりにスーパーマーケットを回って:

本29日は猛烈な南風の中を、すべり症の手術の結果が上々で従来通りの歩行が可能になった家内と、早稲田通りの高田馬場からさらに小滝橋方面に寄った2軒のスーパーマーケットに買い物に出かけてみた。具体的には「おおぜき」と「西友」(=ウオールマート)である。風の強いのには些か辟易となったが、何とか無事に歩ききった次第。

おおぜきは此処百人町から高田馬場界隈では人気店のようで、店内はゴールデンウィークとやらの初日であったことも手伝ってか、かなりな混雑。その中をあのプラスティックのカゴを抱えて歩き回るのは容易ではなかった。買い物客の入りという点では、JRの高田馬場駅により近い西友の方が空いていたのは消費者の価格に対する敏感さを良く表していると思って観察していた。

私は遺憾ながら専業主夫でも何でもないので、両店の販売価格の具体的な比較までは出来ないが、55日間も臨時に家計を預かった経験から見れば、末端では未だ未だ価格競争が続いており、両店が所謂目玉商品(英語では”loss leader”と言うのも面白い)としてチラシに載せている商品の価格は、とてもアベノミクスが目指している「2%のインフレ」にはほど遠いものがあると痛感させてくれた。

陳腐なことを言うのをお許し願えば、実質賃金が上昇したわけでもなく、非正規雇用が減少していない状況下では、小売業者がこういう安売りの手法に訴えてくるのだろうと実感させてくれた。目玉にしても、それはメーカーなり卸売業者の了解の上でつけた値段であるのだから、何処も実損にはなっていない以上、継続されると解釈している。

また、家内の約2ヶ月間の空白を挟んだ小売価格についての知識は未だ正確であり、間違いなく両店のいずれかが安く出しているものを買うことが出来た。マイナス金利政策であるとか、消費税率の引き上げをどうするか等の議論があるようだが、消費者の自己防衛の姿勢は堅持されていると見えた。解りやすく言えば、この状況下で消費税率の引き上げなどを実行すれば、それが主婦層の購買意欲を減殺するのは当然の帰結のような気がする。現在の景気は舛添都知事が好き勝手に公費を使っていることを許すような状態ではあるまい。


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