新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

シルバーパサーの景気診断

2014-10-04 18:39:16 | コラム
タクシーの休憩所が繁昌しているようでは心許ないのだが:

先ずは件名の「シルバーパサー」の解説から。当方はシルバーパスを使い始めてはや11年。そこで「シルバーパス」の保持者であるという意味で、何でも語尾に”er”を付ける近頃の軽佻浮薄な流行に従って、ただ単に「シルバーパス」の後に”er”を付けたまでのことだ。何のことはない「真似ラー」になったのである。

シルバーパサーとしては石原元都知事がその価格を¥20,510に引き上げてしまったので、極力利用して「コスパ」(=費用対効果)をよくせねばならぬように追い込まれてしまった。しかし、ここ2ヶ月ほどは止むを得ぬ事情があったとは言え、2度も3度もタクシーを利用するという勿体ない事態が生じたのだった。

その際に折角機会を得たのだから活かさねばと、運転手さんたちに景気を尋ねてみたのだった、これが最も手っ取り早い景気診断の一方法であるから。言うまでもないことで、答えは一様に否定的で景気回復未だしと思わせてくれた。

それに加えて過去2週間ほど我がアパートの近所で目立つ現象がある。それは我が家の直ぐ裏の狭い道路と、JRと西武新宿線の線路を挟んで向こう側の山手線内側の、運転手さんたちが「新しい道路」と呼ぶ道路の両方に、真っ昼間から休んでいるタクシーの数が激増したのだ。山手線の外側の公園内には綺麗で大型の公衆便所(古いか)があるのも便利なのだろう。

さらに、区営の元は野球場だったが、多目的競技場に衣替えした人工芝グラウンドを取り巻く車の往来が少ない道路の脇にも、公衆トイレ一つが設置されていることも手伝ってか、休憩して野球などを見て一休みするタクシーの運転手さんが増えてきた。

これほどタクシーが停まっているのを見たことがないし、運転手さんたちもコンビニ弁当を食べたり、社外に出て煙草を吸ったり雑談をするなど、寛いでいるのだ。「新しい道路」は所謂「高田馬場駅前道路」に繋がっているが、JR高田馬場駅前で客待ちするタクシーの列も長くなる一方のように見える。こういう状態がある所に、輸入品やその原料が円安等で高騰したことを理由に値上げの発表が続いている。そこでその影響がタクシー利用者の減少となって現れたのかと、私は不安に感じているのだ。

これだけの現象を見て景気を云々するのは早計かも知れないが、会社などでは経費節約というと真っ先に交通費だの接待費だのが槍玉に挙がった経験がある。それでなくても劣化したと批判されている経営者たちが、タクシー利用を一層控えよなどと指令を出しているのかななどと、あらぬ(?)ことを想像しているのだ。タクシーは確か減車されたはずだが、それでも昼間からあれほど休んでいる数が増えたのは、イオンの減益決算などとともに、景気回復は進んでいないのかと感じている今日この頃だ。

朝日の誤報と虚報の悪影響は斯くの如し

2014-10-04 07:26:35 | コラム
花田紀凱の「週刊誌ウオッチング」によれば:

産経のこの連載コラムを読んで「朝日が海外ではここまで深刻な悪影響を与えていたのだったか」と今更ながら驚かされた。即ち、あの朝日の誤報訂正記事は海外ではほとんどまともに受け止められていなかったと「週刊現代」の10月11日号が報じていたことをこのコラムが採り上げていたのだった。

花田は「NY市大名誉教授・霍見芳浩、NYタイムス(は当然かな?)、スタンフォード大学大学院ダニエル・スナイダー教授、フランスのフィガロのレジス・アーノルド等が曲解・誤解・誤認識に基づく悪口雑言とでも言いたい、意図的でなければ朝日の誤報に対する無知をさらけ出している」と指摘していた。詳しくは産経をお読み頂きたいが、如何にアメリカ滞在が長いからといって霍見教授までがあのようなことを言うかと、朝日の罪の深さを思い知らされたのだった。

かくなる上は(もう実行しているのか?)、朝日は全世界に向けて外国人が誤解・誤認識ないしは誤読しないような二進法的で物事の核心を突いた英文で、誤報と虚報を認めて斯くの如く訂正すると発表すべきだ。絶対に、日本式発想の「ここまで言えば察してくれるだろう」であるとか「ここから先は言わなくても言外の意味を察してくれるだろう」という類いの以心伝心的英文は避けねばならない。外国人というか英語圏の人々は行間や言外の発想や、表現されていないことを読むことはないのである。

しかも、彼等は二進法的思考体系であるから、一度「ノー」と判断した事案を簡単に「イエス」に戻そうとはしないのだ。そこを考えればしつこいと言われる覚悟で繰り返して主張しないことには「なるほど、そうだったのか」という考え方にはならないのである。現に一回だけ出した訂正記事の結果は、週刊現代が指摘したような曲解のされ方だったではないか。安倍総理が国会での答弁で朝日を責められたくらいでは、世界全体の認識が一気に変わるとは思えないと危惧するのだ。

朝日の罪は斯くして余りにも根深いのであると解った次第だ。