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休日のバッハ(5.7.11)

2011-05-07 08:40:30 | 休日のバッハ
いつも「休日のバッハ」を今日は何にしようか迷うのですが、どういう風の吹き回しか、いくつかの候補をすべて止めて、今日は急遽パッサカリア(BWV582)にすることにしました。

このオルガンの原曲を、特に若くて血気盛んな時に聴けば、それこそ身の毛もよだつような感動を味わうことでしょう。

詩人の中原中也がとりわけこのパッサカリアを大変に気に入り、誰彼となくこれを聴かせたというのは有名な話です。そして、まだ聴いていない人に対しては、「あなたの人生にこの先、この曲を聴くという幸せが待っているとは誠に羨ましい。」と言ったとか。

筆者も、若かりし頃、やはりこの曲の希有壮大・荘厳な雰囲気に圧倒されたことがありました。しかし、今はもうあえてこうした曲を、そのままオルガンで頻繁に聴いてみたいとは思わなくなっております。

これは一体何故だろうか?

今、このパッサカリアの5つのバージョンを聴き比べております。最初にヒストリカル・オルガン、2番目にピアノ、3番目にロマンティック・オルガン、4番目に2台のピアノ、そして最後にオーケストラ盤です。

その結果、最後のオーケストラ版を今日はお届けしようと思い実際にアップロードもしました。アップロードした理由は、恐らく中原中也もこのような荒々しくも壮大な演奏に惹かれていたからと思うためです。もう、ここまで純粋に激しく結晶化した音楽をそのまま受け入れるだけの年齢はとっくに過ぎてしまいましたが、しかし、そうであった頃を懐かしみながら聴いてみるのも良しと思ったためです。

しかし、一旦アップロードしてからパソコンで試聴しているうちに、オーケストラ版への編曲をした有名なレオポルド・ストコフスキーのあまりに激情的な編曲に嫌気がさし、急遽2台のピアノ版に差し替えることにしました。やはり、今はもうこちらの方が心地良い。こちらの編曲は、マックス・レーガー(Max Reger、1873-1916)です。

この曲を、今なお避難所で肉親を失った苦しみに耐えている、大震災と津波による被災者の方々が聴いたら一体どう思うだろうか?生きる勇気を奮い起こしてくれるだろうか?それとも、再度、絶望の淵まで突き落とされてしまうだろうか?

これはバッハの教会音楽であり、前者であることを確信します。

いつものように、ここをクリックして、ウィンドウズ・メディア・プレイヤーでお聴き下さい。

それにしても、この曲を聴き続けるのはかなり疲れます。そこで、おまけと言っては何ですが、1月22日にお届けした無伴奏バイオリンソナタ(BWV1003)を、ピアノの「伴奏付き」でお贈りします。ヴァイオリンは平崎真弓、ピアノはショルンスハイムです。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (利恵)
2011-05-07 20:18:42
はじめまして。

私も人の嫌がる仕事を10年続け、これからは投資をしつつ、後5年は働いて、その後はボランティアをしつつ、人生を謳歌したいと思っています。
これから,毎日拝読させて頂きまーす。
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Unknown (mariomari)
2011-05-07 20:23:38
利恵さん、初めまして。

人のいやがる仕事を10年とは、偉いですね。
投資は簡単ではありませんが、何かありましたら、いつでも遠慮なくご連絡下さい。

今ちょうど、月曜日の検討をしておりました。
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パッサカリア (fughetta)
2011-05-07 22:47:18
中原中也がパッサカリアを愛していたとは知りませんでした。中也ゆかりの山口県山口市にあるザビエル記念聖堂のオルガンでパッサカリアを演奏したことがありますが、本当に美しい曲ですね。

2台ピアノの演奏をありがとうございました。

私は、バッハの代表作平均律クラヴィーア曲集に魅せられて研究の結果、バッハ自身が移調してこの曲集を完成させたことが分かりました。

全曲をハ長調とイ短調に移調した《イコール式バッハ平均律クラヴィーア曲集》カワイ出版 をご紹介いたします。

なぜ移調したのかということを『やわらかなバッハ』春秋社 に書かせていただきました。

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パッサカリア (mariomari)
2011-05-08 00:13:31
fughettaさん、今晩は。

平均率の音律のことなど全く分からないのですが、若い頃に仕事から解放された週末に、ヴァルヒャの平均率クラヴィーア曲集のオルガン演奏を、1年ほど毎週聴き続けました。それでも飽きない何かがあったようです。こんなブログをご訪問頂きありがとうございました。
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初めまして (ヨーロッパ在住)
2011-05-09 00:47:56
初めまして。

平崎真弓さんを検索していて、このブログに辿り着いたものです。

わたくしはヨーロッパ在住の教会音楽好きなものですが、先日足を運びましたコンサートで平崎真弓さんを知り、それから彼女の音楽のファンになり、こうしてここまで参りました。

何だか嬉しくなり、コメントを残させて頂きました。
これからも、ブログを楽しみに拝見させて頂きます。
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平崎真弓 (mariomari)
2011-05-09 07:10:42
ヨーロッパ在住さん、初めまして。

ヨーロッパに在住で教会音楽がお好きとは、何とも羨ましい環境ですね。また、こんな稚拙な、バッハのことだけを書いたブログに足をお運び頂き光栄です。
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