株に出会う

独自開発のテクニカル指標で株式市場の先行きを読む!

今回の暴落の予兆はどこで察知できたか?

2024-08-10 19:30:15 | テクニカル分析
今回の日経225の暴落について、様々な専門家の見立てをユーチューブで見た結果、次の2つの要因が事前に暴落(までは行かなくとも、大幅調整)を示唆していたようです。

1.日経225の高値からの下落局面
2.米10年債が下落に転じる局面

1は、チャートを振り返れば、誰でも視覚的に理解できます。筆者のツールとしてのIndexMatch関数のMAX値の最後の更新は7月11日でした。これが最後かどうかは、次の日の高値がこの日の終値を下回っていたかどうかがキーとなります。翌7月11日の高値は、前日の終値42224円よりも500円ほども安い状態でした。これで決まり。1日遅れての7月12日に、OSCが前日比でマイナスに転じるあたりで225を売るのが正解。OSCは前日が67.6%でしたが、当日の12日は53.3%にまで落ちております。その差は何と14%もあります。朝方に付けたであろうその日の高値でシミュレーションをしてみても、OSCは67.6%をかなり割り込んでいた結果になりました。

従って、この日に余程の上昇がない限り、前日のOSCを上回ることはできないという日でした。この日の高値から上に行く気配がない段階で売るのが正解。もちろん、大引けに売ってもいいのですが、この場合は、翌日の高値が41520円となっており、330円ほど高くなっております。この330円の損失はちょっと耐え難いケースかも知れません。これが株の買い時と心理状態との相関性が複雑を極めているための難しさですね。

2つ目の米10年債の利回りが下落に転じる局面の把握ですが、7月以降の金利のチャートを見てみると、7月1日に4.465%でピークを付けております。それ以降は下落のトレンドになっておりますが、10年債の金利の下落に合わせて株価は下落する訳ではありません。必ずタイムラグが生じます。何故なら、株価というのは目先の色々な指標で上げ過ぎや下げ過ぎというオーバーシュートが必ず生じるからです。

そこでもう一度10年債利回りのチャートを見てみると、7月9日に4.295%となっておりました。1日の4.465%よりも明らかに下です。しかし、今回の株価の頂点は7月11日でした。頂点だったことは、翌日以降になって分かったことなんですが、9日の10年債の小さな頂点と明らかに重なる日付です。

この7月9日の後、10年債は再度上昇し始めます。しかし、次のピークは7月24日の4.282%でした。9日の4.295%を抜くことができなかった訳です。そこからの10年債の利回りの低下は実に物凄い。8月5日には何と3.776%まで低下。

しかし、この段階では市場も異変に気づいており、もう売りを仕掛けるとしても後の祭り。気がつくなら7月24日です。

そこで、改めて日経225の7月11日以降の値動きを見てみましょう。225のIndexMatch関数のMAX値は、7月12日にピークアウトしていたことは前段でお話しましたが、実は同じ関数のMIN値の点灯は7月18日でした。この日、OSCは前日より4.9%下げておりました。この異変を察知できていたならば、高値の40588円から下げに転じるどこかのタイミングで売りを仕掛けることが可能でした。

このMIN値が点灯した時に売りを仕掛けるという鉄則は、その前段でMAX値の点灯が数日以上続いており、それが途切れてMAX値がブランク(つまり、OSCの上昇が全くない状態)が続き、その後にMIN値が点灯したタイミングが良さそうです。

単発的にMAX値が点灯したり、MIN値が点灯したりした場合は、騙しの可能性があるので、迂闊には触らない方がいいようです。

以上、非常に分かりにくいとは思いますが、ことほど左様に、相場の読みは難しいし、繊細な観察が要求されるし、前もっての気構えというか、心構えがないと、先手を打って今回のような売りを仕掛け、大きく儲けることは困難だということを思い知った次第です。

20年近く相場を見てきておりますが、こうしてテクニカル指標と、米10年債金利と日経225の連動性に着目して、こうした認識に至ったことは初めてです。それだけ株式投資には、その人独特の見識眼がないと、とてもプロには太刀打ちできないことだけでもご理解頂ければと思います。

もちろん、後講釈なら理屈付けは何とでもできるとお考えの方は、こうした見方は無視して下さい。

それ以外の有効なツールをお持ちならば。

しかし、225の値動きと10年債の値動き、そのタイムラグへの解釈を精緻に測定し、売買判断の材料として使えるツールがないと、プロの仕掛ける大技にはとても対抗できないことは明らかです。今回はしかも、オプションの決済日まで控えてましたから余計何が何だか分からなくなります。プロはそのあたりは先刻承知の助ですからね。

今後は、こうした観点からNY市場概概況にしても、225のそうした値動きの変化と10年債の利回りの変化を踏まえて、より精緻な予想ができればと思っております。

しかし、株は実に奥が深い。。。

以上です。
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NY市場概況(8.9.2024)

2024-08-10 08:16:58 | NY市場概況
8月9日(金)のNY市場概況です。

1.NYダウ
 最近、筆者が注目しているのが、IndexMatch関数で計算したMIN/MAX値の前回との推移ですが、通常はMAX値については、直近になるに従い上昇します。逆にMIN値については下降します。ところが、この原則に合わない日がたまにでます。本当にたまにです。

ダウのMIN値は終値で8月7日にマークした38763ドルでした。この時の指数値は17005ポイント。その前にマークしたのは8月5日の38703ドルで、指数値は17360ポイント。

この数字の特徴は、終値では上げながら、指数値では下げている点です。通常は上げなら上げ、下げなら下げとなります。

同じようなケースは、MAX値については6月27日と3月1日にも発生しておりました。MAX値はMIN値とは逆に、本来なら上げていくのが通例。それを下げながらも、指数値が逆に上げているという状態。

こうした逆行日は、相場が変動、あるいは激動する予兆のようなものです。MIN値の上げは底打ち、MAX値の下げは下落が一応の原則ですが、逆に大きく動くこともあります。

今日のダウは順当上げ。MIN値は消灯したまま。

2.Nasdaq
 NasはMIN値が8月1日に逆行高。通常は上げに入るところですが、市場の嵐に巻き込まれて、大幅下げに見舞われております。つまり激動期。ダウの8月7日の逆行高は、相場の変動期(激動期後の)でした。この違い。

Nasも順当上げでサインは何もなし。

3.ドル・円
 ドル・円のMAX値が点灯したのが7月10日が最後でした。この時の終値が161.7円。以後全く点灯しておりません。筆者のエクセルには未点灯の他にGoというサインが出るようにしております。これはほぼOSCのトレンドに沿ったケース。全くなにも出ていないのはOSCがダウントレンド一色だったことになります。現に7月10日はOSCが65%です。

それ以前の7月9日にはMAX値が逆行しておりました。この時のOSCは65%です。翌10日には元に戻ったかに見えましたが、その後はGoサインも何もでない空白で、OSCがだだ下がり状態。

一応、売買のルールは、MAX値が点灯した日の翌日の高値が、点灯日の終値よりも低ければ売り、ということになっております。10日以降でその条件を満たした日が12日でした。高値は159.45円。ここでピシャリと売ることはできませんが、少なくとも前日のOSCより下げた段階での売りが正解。この日は引けは157.91円ですから、1日で2円近く動いておりますね。

こういう風にドル・円相場の現状を見ると、5日にMIN値が点灯してから、1日置いてGoサインが今日で3日連続点灯。これは為替も円安方向へとじわりと動いている証左。OSCは今日でまだ40%。この後もGoサインが消えるかどうか、新たなMIN値の点灯があるかどうか等注視していきたいと思っております。

4.CME日経225先物
 35275円で終了。225の終値比+250円。ホルダーの方は、枕を多少は高くして週末を過ごせそうです。

5.米10年債利回り 3.940%(-0.002%)

6.VIX指数 20.37(-3.42)節目の20割れまで後少し。

7.SOX指数 4709(-21)

8.バルチック海運指数 1683(-15)

9.レーザーテックADR株価 27115円(+195円)

以上です。
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