【掲載日:平成21年6月18日】
籠もよ み籠持ち
掘串もよ み掘串持ち
この岡に 菜採つます児・・・
【泊瀬朝倉宮跡から飛鳥三山地方を望む】
時は 春
芽吹きの時期
場所は 泊瀬小国
陽光降り注ぐ 野の原
若菜が芽を出している
娘子 登場
若菜摘みを 始める
楽しげな 摘む手の 動き
手提げの籠に 春風揺れる
手の掘り串に 春日が光る
若者 登場
娘子に 語りかける
「むすめよ むすめ 菜摘つみのむすめ」
「どこに住むのじゃ そなたの家は」
「わしを 誰かと 尋ねるか」
「この国仕切る 王こそ わしじゃ」
「わしも 教える 住み家と 名前」
春の催し 奉納舞台
豊作祈る 歌謡劇
笑いを誘う 求婚舞踊
伝え伝えて 民謡風に
籠もよ み籠持ち
掘串もよ み掘串持ち
この岡に 菜採つます児
家聞かな 告らさね
《ええ籠さげて
掘り串持って
菜摘みしてはる 娘はん
あんた居るとこ 教えて欲しい》
そらみつ 大和の国は
おしなべて われこそ居れ
しきなべて われこそませ
われこそは告らめ 家をも名をも
《ここの国
治めてるんは このわしや
仕切ってるんは このわしや
わしも教える 名前と家と
(あんた教えて 名前と家と)》
―雄略天皇―(巻一・一)
舞台に 繰り広げられる 滑稽しぐさ
笑いに満ちる 茣蓙さじき
豊作祈願の 芝居は 続く
<泊瀬朝倉宮>へ
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