ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

源氏:桐壺(11)風いと涼しくなりて

2014年02月06日 | 七五調 源氏物語




風いと涼しくなりて
    ―皇子みこ参内さんだいえずとて―









 傾きて 空澄みて
 収りて 涼やかに
 誘うに 虫の声
去りがたきやの 風情ふぜい





牛車ぎっしゃ乗りかね 靫負命婦みょうぶ

  鈴虫が
   声尽くし果て
     泣いたとて
    夜長尽きずと
        涙が流る

                           鈴虫の
                            声を限りを
                               尽くしても
                            長き夜かず
                              る涙かな



靫負命婦みょうぶ詠うは おの
代りみかどの 涙かや


み掛けられし 母君は
女房使いて 伝え

 只でさえ
   泣きの涙の
    この荒宿やど
   つかいが持て
       更なる涙

                           いとどしく
                           虫の音しげ
                             浅茅生あさじう
                             露置き添ふる
                               雲の上人うえひと


 恨みごとにと 成りにしか」

時が時やで ゆかしきの
品差し上げも 如何いかがとて
桐壺更衣こうい形見と 斯様かようなる
 にと残し 置きたるの
一揃いなる 装束しょうぞく
髪上げ調度ちょうど 添え持たす


靫負命婦みょうぶ帰りし 後からも
桐壺更衣こうい付きてし 女房にょうぼらは
悲し思いを いだきつも
朝夕あさゆに慣れた 内裏うち生活くらし
思うに実家さとは 寂しくて

みかどご様子 思いつつ
早やの若宮 参内さんだい
すすすやに 母君は

いまわし身う 参内さんだい
 世間聞こえの しきにて
  若宮お顔 見ずにては
 え切れ無しの 心地」とぞ

思い切りての 参内さんだい
させさるさえ 出来ずとに


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