■平成21年12月15日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
―――――――――――――――――――――――――――――――――
★巻向の 郎女恋し 引手山 草分け探す 乳飲み子連れて
うつせみと 思ひし時に たづさへて わが二人見し
走出の 堤に立てる 槻の木の こちどちの枝の
春の葉の 茂きが如く 思へりし 妹にはあれど
たのめりし 児らにはあれど
《元気で居る時 二人で見たな 若葉のいっぱい 茂った欅
そんないっぱい 好き合たお前 末長ご思てた お前やけども》
世の中を 背きし得ねば かぎろひの 燃ゆる荒野に
白拷の 天領巾隠り 鳥じもの 朝立ちいまして 入日なす 隠りにしかば
《世の中習いに 逆らいできず 陽炎消えて 天行くみたい
鳥飛び立って 帰らんみたい 太陽ィ沈むよに 隠れてしもた》
吾妹子が 形見に置ける みどり児の 乞ひ泣くごとに
取り与ふ 物し無ければ 男じもの 腋はさみ持ち
《残った赤ん坊 泣く度ごとに 乳も出んのに 胸抱きかかえ》
吾妹子と 二人わが宿し 枕つく 嬬屋の内に
昼はも うらさび暮し 夜はも 息づき明し 嘆けども せむすべ知らに
恋ふれども 逢ふ因を無み
《お前と暮らした 住まいに籠り 昼間ぼっとし 夜溜息し
嘆いてみても どうにもならん 恋しがっても 逢うことでけん》
大鳥の 羽易の山に わが恋ふる 妹は座すと
人の言へば 石根さくみて なづみ来し
《後ろの山で お前の姿 見たと聞いたら 岩道分けて
居らんもんかと 探しに行った》
吉けくもそなき うつせみと 思ひし妹が 玉かぎる ほのかにだにも 見えぬ思へぱ
《生きてるはずと 思てたお前 影も形も 見えんよなった あって良えんか こんなこと》
―柿本人麻呂―〔巻二・二一〇〕
衾道を 引手の山に 妹を置きて 山路を行けば 生けりともなし
《引手山 お前葬って 降りてきた ひとり生きてく 気ィならんがな》
―柿本人麻呂―〔巻二・二一二〕
去年見てし 秋の月夜は 照らせども 相見し妹は いや年さかる
《去年見た 秋の良え月 今もええ 一緒眺めた お前居らんが》
―柿本人麻呂―〔巻二・二一一〕
【引手の山に】へ
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★巻向の 郎女恋し 引手山 草分け探す 乳飲み子連れて
うつせみと 思ひし時に たづさへて わが二人見し
走出の 堤に立てる 槻の木の こちどちの枝の
春の葉の 茂きが如く 思へりし 妹にはあれど
たのめりし 児らにはあれど
《元気で居る時 二人で見たな 若葉のいっぱい 茂った欅
そんないっぱい 好き合たお前 末長ご思てた お前やけども》
世の中を 背きし得ねば かぎろひの 燃ゆる荒野に
白拷の 天領巾隠り 鳥じもの 朝立ちいまして 入日なす 隠りにしかば
《世の中習いに 逆らいできず 陽炎消えて 天行くみたい
鳥飛び立って 帰らんみたい 太陽ィ沈むよに 隠れてしもた》
吾妹子が 形見に置ける みどり児の 乞ひ泣くごとに
取り与ふ 物し無ければ 男じもの 腋はさみ持ち
《残った赤ん坊 泣く度ごとに 乳も出んのに 胸抱きかかえ》
吾妹子と 二人わが宿し 枕つく 嬬屋の内に
昼はも うらさび暮し 夜はも 息づき明し 嘆けども せむすべ知らに
恋ふれども 逢ふ因を無み
《お前と暮らした 住まいに籠り 昼間ぼっとし 夜溜息し
嘆いてみても どうにもならん 恋しがっても 逢うことでけん》
大鳥の 羽易の山に わが恋ふる 妹は座すと
人の言へば 石根さくみて なづみ来し
《後ろの山で お前の姿 見たと聞いたら 岩道分けて
居らんもんかと 探しに行った》
吉けくもそなき うつせみと 思ひし妹が 玉かぎる ほのかにだにも 見えぬ思へぱ
《生きてるはずと 思てたお前 影も形も 見えんよなった あって良えんか こんなこと》
―柿本人麻呂―〔巻二・二一〇〕
衾道を 引手の山に 妹を置きて 山路を行けば 生けりともなし
《引手山 お前葬って 降りてきた ひとり生きてく 気ィならんがな》
―柿本人麻呂―〔巻二・二一二〕
去年見てし 秋の月夜は 照らせども 相見し妹は いや年さかる
《去年見た 秋の良え月 今もええ 一緒眺めた お前居らんが》
―柿本人麻呂―〔巻二・二一一〕
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