ユニーク古典現代訳(大阪弁万葉集改題)

日本の古典を訳します。そのままストンと腑に落ちる訳。なんだ、こうだったのかと分かる訳。これなら分かる納得訳。どうぞどうぞ

日めくり万葉集<11月>(その8)

2010年04月19日 | 日めくり万葉集
■平成22年2月日■
NHKテレビ「日めくり万葉集」で取り上げられた 万葉歌を 「大阪弁」で訳します
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★任受けて 誉れの船出 その母は ひたすら祈る 我が子の無事を
旅人の 宿りせむ野に 霜降らば 我が子羽ぐくめ 天の鶴群たづむら
《宿る野に 霜が降ったら 天の鶴 羽根を広げて うちの子かばえ》
                         ―遣唐使母―〈巻九・一七九一〉 

軽皇子かるのみこ 阿騎野の狩は 亡き父の 草壁皇子の 思い出の地ぞ
ひむがしの 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月かたぶきぬ
《日が昇る 月沈んでく 西空に 草壁皇子みこの面影 浮かんで消える》
                         ―柿本人麻呂―〈巻一・四八〉 

★澄む秋の 景色の中の 萩と鹿 鳴く声遥か 空透き通る
秋萩の 散りのまがひに 呼びたてて 鳴くなる鹿の 声の遥けさ
《萩花が  乱れ散る中 連れ呼んで 鳴く鹿の声 遠くでしてる》
                         ―湯原王―〈巻八・一五五〇〉 

★葛城の おお臣下なり 橘の 諸兄となって 政治動かす
橘は 実さへ花さへ その葉さへ 枝に霜降れど いや常葉とこはの木
《橘は ぃ立派やで 花も葉も えだても 緑のままや》
                         ―聖武天皇―〈巻六・一〇〇九〉