■平成23年2月10日■
万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
――――――――――――――――――――――――――――――――
★この思い 廻らしみるが 言い出せん 気弱赤人 気遣い故か
わが背子に 見せむと思ひし 梅の花 それとも見えず 雪の降れれば
《梅の花 雪降ってもて 見えんがな 友に見せよと 思うてたのに》
―山部赤人―〔巻八・一四二六〕
明日よりは 春菜採まむと 標めし野に 昨日も今日も 雪は降りつつ
《明日から 若菜を摘もと 決めたのに その野は雪や 昨日も今日も》
―山部赤人―〔巻八・一四二七〕
春の野に すみれ摘みにと 来しわれそ 野をなつかしみ 一夜寝にける
《春の野に すみれを摘みに 来たんやが 気分良えんで 泊ってしもた》
―山部赤人―〔巻八・一四二四〕
あしひきの 山桜花 日並べて かく咲きたらば いと恋ひめやも
《桜花 づうっと長う 咲くんなら こんな見たいと 思わへんのに》
―山部赤人―〔巻八・一四二五〕
春日を 春日の山の 高座の 三笠の山に 朝さらず 雲ゐたなびき 容鳥の 間なく数鳴く
《春日の峰の 三笠の山に 朝はいっつも 雲棚引いて 郭公鳥は 鳴き続けとる》
雲居なす 心いさよひ その鳥の 片恋のみに 昼はも 日のことごと 夜はも 夜のことごと
立ちてゐて 思ひそわがする 逢はぬ児ゆゑに
《その雲みたい もやつく心 鳥の名みたい 片恋〔カッコウ〕しとる
夜昼なしに 立っても居ても お前思てる 逢われんよって》
―山部赤人―〔巻三・三七二〕
高鞍の 三笠の山に 鳴く鳥の 止めば継がるる 恋もするかも
《次々に 恋しい心 湧いてくる 三笠の山で 鳴く鳥みたい》
―山部赤人―〔巻三・三七三〕
わが屋戸に 韓藍蒔き生し 枯れぬれど 懲りずてまたも 蒔かむとそ思ふ
《家の庭 植えた鶏頭 枯れたけど ええでそんなら また植えるから》
―山部赤人―〔巻三・三八四〕
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万葉集に詠われた歌を 作者別に採り上げ 人となりを「大阪弁」で訳します
いわく 「大阪弁万葉集」
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★この思い 廻らしみるが 言い出せん 気弱赤人 気遣い故か
わが背子に 見せむと思ひし 梅の花 それとも見えず 雪の降れれば
《梅の花 雪降ってもて 見えんがな 友に見せよと 思うてたのに》
―山部赤人―〔巻八・一四二六〕
明日よりは 春菜採まむと 標めし野に 昨日も今日も 雪は降りつつ
《明日から 若菜を摘もと 決めたのに その野は雪や 昨日も今日も》
―山部赤人―〔巻八・一四二七〕
春の野に すみれ摘みにと 来しわれそ 野をなつかしみ 一夜寝にける
《春の野に すみれを摘みに 来たんやが 気分良えんで 泊ってしもた》
―山部赤人―〔巻八・一四二四〕
あしひきの 山桜花 日並べて かく咲きたらば いと恋ひめやも
《桜花 づうっと長う 咲くんなら こんな見たいと 思わへんのに》
―山部赤人―〔巻八・一四二五〕
春日を 春日の山の 高座の 三笠の山に 朝さらず 雲ゐたなびき 容鳥の 間なく数鳴く
《春日の峰の 三笠の山に 朝はいっつも 雲棚引いて 郭公鳥は 鳴き続けとる》
雲居なす 心いさよひ その鳥の 片恋のみに 昼はも 日のことごと 夜はも 夜のことごと
立ちてゐて 思ひそわがする 逢はぬ児ゆゑに
《その雲みたい もやつく心 鳥の名みたい 片恋〔カッコウ〕しとる
夜昼なしに 立っても居ても お前思てる 逢われんよって》
―山部赤人―〔巻三・三七二〕
高鞍の 三笠の山に 鳴く鳥の 止めば継がるる 恋もするかも
《次々に 恋しい心 湧いてくる 三笠の山で 鳴く鳥みたい》
―山部赤人―〔巻三・三七三〕
わが屋戸に 韓藍蒔き生し 枯れぬれど 懲りずてまたも 蒔かむとそ思ふ
《家の庭 植えた鶏頭 枯れたけど ええでそんなら また植えるから》
―山部赤人―〔巻三・三八四〕
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