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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

人麻呂歌集編(05)恋ひぬ前(さき)にも

2012年01月31日 | 人麻呂歌集編
【掲載日:平成24年1月31日】

何せむに 命ぎけむ
        我妹子わぎもこに 恋ひぬさきにも 死なましものを




かよわん この恋は
          消えてしまえよ  この世から

実り の恋が ある一方で
実らん 恋は 苦して辛い
届かん思い かかえて独り
何時いつまで続く むなしの日々よ

玉桙たまほこの 道行かずあらば ねもころの かかる恋には 逢はざらましを
《あの道を 歩かなんだら こんなにも くるし恋には 逢わんかったに》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二三九三)
かくばかり  恋ひむものぞと 知らませば 遠くも見べく ありけるものを
《こんなにも 焦がれくるしん 知ってたら 知らん顔して っといたのに》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二三七二)
かくのみし 恋ひや渡らむ たまきはる 命も知らず 年はにつつ
《こんなにも 焦がれ続けて もう命 どうでもえと 思う日々やで》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二三七四)
何せむに 命ぎけむ 我妹子わぎもこに 恋ひぬさきにも 死なましものを
 何でまた ここまで生きて 来たんやろ あの児知る前 死んだよかった》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二三七七)
恋ひ死なば 恋ひも死ねとや 玉桙たまほこの 道行く人の ことも告げなく
《恋しいて 死ぬなら死ねて うんかい 道行く人は 知らん顔やで》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二三七〇)
こひするに しにするものに あらませば が身は千度ちたび にかへらまし
《恋したら 苦しみ死ぬと うんなら うち千遍せんべんも 死んで仕舞しもてる》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二三九〇)
恋ひ死なば 恋ひも死ねとか 我妹子わぎもこが 我家わぎへかどを 過ぎて行くらむ
《苦しいて 恋ぐるいして 死ねんか あの児この家 素通すどおりしてく》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二四〇一)
我れゆのち まれむ人は 我が如く こひする道に ひこすなゆめ
《これからに まれる人 わしみたい くるこいみち 歩かんときや》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ歌集―(巻十一・二三七五)


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