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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・越中編(二)(05)辺(へ)にこそ死なめ

2011年08月05日 | 家待・越中編(二)歌心湧出
【掲載日:平成23年5月6日】

・・・海行かば かばね 山行かば 草かばね 
                 大君おほきみの にこそ死なめ・・・



【「小田をだなる山に」続き】

・・・・・・此処ここをしも あやにたふとみ うれしけく いよよ思ひて 
大伴の 遠つ神祖かむおやの その名をば 大来目主おほくめぬしと ひ持ちて 仕へしつかさ
 
《・・・なんととおとい 有難い そこで思うで 大伴は
 遠い祖先を 大来米おおくめの ぬしと云う名を 自負じふしつつ つかえ来たった つわもので》
海行かば かばね 山行かば 草かばね 
大君おほきみの にこそ死なめ かへり見は せじと言立ことだ
 
《「海をったら 水にき 山をったら 草の中
 しかばねなろと 大君おほきみの 足元死ぬぞ 後悔は せん」と宣言うそぶき》
大夫ますらをの 清きその名を いにしへよ 今のをつつに ながさへる おや子等こどもぞ 
大伴と 佐伯さへきうぢは 人のおやの 立つる言立ことだて 人の子は おやの名絶たず 
大君おほきみに 奉仕まつろふものと 言ひげる ことつかさ
 
大夫ますらをの 由緒ゆいしょある名を 昔から 今に伝えた 末裔まつえい
 大伴佐伯さえき 氏の子は ご先祖様の 言葉り 氏の名前を 絶やさんと
 天皇すめらみことに おつかえし 奉仕一途いちずの 家柄と 言いがれ行く 氏族しぞくぞよ》
梓弓あづさゆみ 手に取り持ちて つるぎ大刀たち 腰に取りき 
朝守り ゆふの守りに 大君おほきみの 御門みかどの守り 我れをおきて 人はあらじと
 
あずさの弓を 手に持って つるぎ大刀たちを 腰に
 朝に守護しゅごして よるで 警護固めて 大君おほきみの 御門ごもん守るは わし以外 人はらんと》
いや立て 思ひしまさる 大君おほきみの 御言おことさちの 聞けばたふと
 《ふるい立ち たかぶりおるぞ 大君おほきみの 寿ことほぎ言葉 とおとに聞いて》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十八・四〇九四)

大夫ますらをの 心おもほゆ 大君おほきみの 御言みことさちを 聞けばたふと
大夫ますらおの 心沸々ふつふつ 湧いてきた 大君おほきみ尊語ことば とおとに聞いて》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十八・四〇九五)
大伴の とほ神祖かむおやの 奥津城おくつきは しるしめ立て 人の知るべく
《大伴の 遠い祖先の 存在ありどこを 立派に示せ 人知れるに》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十八・四〇九六)
天皇すめろきの 御代みよ栄えむと あづまなる 陸奥みちのく山に 黄金くがね花咲く
天皇おおきみの 御代みよの栄える 兆候しるしやな 東国山とうごくやまで 黄金こがね出たんは》
                         ―大伴家持おおとものやかもち―(巻十八・四〇九七)
                                 五月十二日】