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令和・古典オリンピック

令和改元を期して、『日本の著名古典』の現代語訳著書を、ここに一挙公開!! 『中村マジック ここにあり!!』

家待・越中編(一)(16)御名(みな)に帯(お)ばせる

2011年02月18日 | 家待・越中編(一)友ありて
【掲載日:平成23年2月1日】

朝日さし 背向そがひに見ゆる 
     かむながら 御名みなばせる
         白雲しらくもの 千重ちへを押し別け
             あまそそり 高き立山たちやま・・・



〔なになに 今度は 立山たちやま
 さすが かみ殿どの 
 目の付けどころ とてもかなわぬ
 しかし  引く訳には まいらぬ〕

朝日さし 背向そがひに見ゆる かむながら 御名みなばせる 
白雲しらくもの 千重ちへを押し別け あまそそり 高き立山たちやま 
冬夏と くことも無く 白栲しろたへに 雪は降り置きて いにしへゆ ありにければ
 
《朝来たら 朝日にして 輝いて 神山かみ言われるん もっともで
 白雲くも押し分けて 大空に そそり立つ山 立山たてやま
 冬夏問わず っ白に 雪降り積もり 昔から 此処ここに控えて おわします》
こごしかも いはかむさび たまきはる 幾代いくよにけむ 立ちて居て 見れどもあやし 
だかみ 谷を深みと 落ちたぎつ 清き河内かふちに 朝去らず 霧立ちわたり 夕されば 雲居くもゐたなびき
 
《岩けわしいて 神々こうごして 何千年も ったやろ 何処どこから見ても 有難い
 峰はたこうて 谷ふこて はげし流れる 川淵に 毎朝のに 霧立って 夕方なると 雲なびく》
雲居くもゐなす 心もしのに 立つ霧の 思ひすぐさず 行く水の 音もさやけく 
万代よろづよに 言ひぎ行かむ 川し絶えずは

《雲さながらに  心掛け 霧さながらに 思い込め 清い流れの 水音に
 乗せて末ご 語りご 絶えることう ずううっと》
                         ―大伴池主おおとものいけぬし―〔巻十七・四〇〇三〕
立山たちやまに 降り置ける雪の 常夏とこなつに 消ずてわたるは かむながらとそ
立山たてやまに 降り積もる雪 夏でも ずっと消えんで 神さんやから》
                         ―大伴池主おおとものいけぬし―〔巻十七・四〇〇四〕
落ちたぎつ 片貝川かたかひがはの 絶えぬごと 今見る人も 止まず通はむ
《流れ落つ 片貝かたかい川の 水えん 守殿あんたも絶えず 見に来るやろな》
                         ―大伴池主おおとものいけぬし―〔巻十七・四〇〇五〕
                                 【四月二十八日】