犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(245)うらさぶる

2014年03月05日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【三月十二日】放映分
うらさぶる 心さまねし ひさかたの あめ時雨しぐれの 流らふ見れば
《空おおい 時雨しぐれ続いて 流れ降る 見たらびしさ 胸広がるで》
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻一・八二)


【万葉歌みじかものがたり】を見がてり》

恋にうつつを 抜かしていたり 
 に雪にと 浮かれていても
役目 果たさで 仕えは出来ぬ
めいが下れば 身は西東にしひがし

任をたまわり 行く旅空は
苦労難儀なんぎの 道連れ覚悟
如何な艱難かんなん あったや知れず
そこは宮人みやびと 憂いは見せぬ

【和銅五年(712)長田王ながたおう伊勢斎宮いつきのみや派遣】
やまのへの を見がてり かむかぜの 伊勢娘子をとめども 相見あひみつるかも
念願ねんがんの 聖水みずを見に来て その上に 伊勢の聖女おとめに 逢えもしたがな》
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻一・八一)
うらさぶる 心さまねし ひさかたの あめ時雨しぐれの 流らふ見れば
《空おおい 時雨しぐれ続いて 流れ降る 見たらびしさ 胸広がるで》
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻一・八二)
わたの底 沖つ白波 竜田たつた山 何時いつか越えなむ 妹があたり見む
《山こう あの児る里 竜田山 越えて逢い行く その内きっと》
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻一・八三)
                          (海の底沖つ白波→立つ→竜田山)

【筑紫肥後水島・長田王官命かんめいにて下る】
聞きしごと まことたふとく くすしくも かむさびるか これの水島
《聞いたまま ほんまとうとて 神秘やで 神さんるで この水島は》 
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻三・二四五)
葦北あしきたの 野坂の浦ゆ 船出ふなでして 水島にかむ 波立つなゆめ
 野坂浦 船漕ぎ出して 水島に 行こ思うんや 波立たんとき》 
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻三・二四六)
沖つ波 辺波へなみ立つとも 我が背子が 御船みふねの泊り 波立ためやも
《沖や岸 波立ったかて 長田王あんたさん 船めはるに 波立つもんか》 
                         ―石川いしかわの大夫まえつぎみ―(巻三・二四七)
隼人はやひとの 薩摩さつまの瀬戸を くもなす 遠くも我れは 今日けふ見つるかも
薩摩さつま瀬戸 今日わし見たで 遥々はるばると 雲の彼方かなたの ここ辿たどり来て》
                         ―長田王ながたのおおきみ―(巻三・二四八)
                         【天武皇子長皇子ながのみこの子長田王とは別人らしい】

          景行けいこう天皇 巡行みぎり 
          葦北あしきた小島 泊まりし折りに
          供御くご賜るに 飲み水所望しょもう
          聞いたひだり 探すが有らず
          天神てんじん仰ぎ 地祇ちぎ祈らせば
          不思議や崖に 湧き水ずる
          ってこの島 「水島」名
                     日本書紀 景行天皇十八年の条)
















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