犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(204)秋山の

2013年06月01日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【一月二十日】放映分

秋山あきやまの 黄葉もみちしげみ まとひぬる いもを求めむ 山道やまぢ知らずも
《茂ってる 黄葉もみじの山に まよった お前探すに 道分れへん》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻二・二〇八)
【万葉歌みじかものがたり】《妹が名びて》

捕えて離さぬ 恋のやっこ
いに行こうなどと なんと 浅間あさましい
今しばらく は 
せめて の明けるまで

あまぶや かるみちは 我妹子わぎもこが 里にしあれば ねもころに 見まくしけど まず行かば 人目を多み 数多まねく行かば 人知りぬべみ 
《あの児の家は 軽の里 逢いたい気持ち 満々いっぱいや 始終しょっちゅ行ったら 人目付く かよい過ぎたら うわさ立つ》
かづら のちはむと 大船の 思ひたのみて 玉かぎる 磐垣淵いはかきふちの こもりのみ 恋ひつつあるに 
あとで逢える日 来るおもて 恋しさ我慢 送る日に》
渡る日の れ行くが如 照る月の 雲かくる如 沖つ藻の なびきし妹は 黄葉もみちばの 過ぎてにきと たまづさの 使つかひの言へば 
あかる照る日が 暮れるに 月が雲間に かくに わしをしとてた あのお前 黄葉もみじの葉っぱ 散るみたい って仕舞しもたと 言う知らせ》
梓弓あづさゆみ おとに聞きて はむすべ すべ知らに 
《話聞いたが どうたら えか分らん も出来ん》
おとのみを 聞きてありねば が恋ふる 千重ちえ一重ひとえも なぐさもる 心もありやと 我妹子わぎもこが まず出で見し 軽のいちに わが立ち聞けば 
《聞いてじっとは とれんで えた気持ちが 一寸ちょっとでも おさまることも あるかなと お前のった 軽の市 行ってたずねて 探したが》
玉襷たまたすき 畝傍うねびの山に 鳴く鳥の こゑも聞えず 玉桙たまほこの 道行く人も 一人だに 似てし行かねば 
《行き人中ひとなか 声聞けん 人多数よけるに 影見えん》
すべみ 妹が名びて そでぞ振りつる
うろ仕舞しもて 名ァ呼んで 袖振りまわし わめいたこっちゃ》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻二・二〇七)

秋山あきやまの 黄葉もみちしげみ まとひぬる いもを求めむ 山道やまぢ知らずも
《茂ってる 黄葉もみじの山に まよった お前探すに 道分れへん》
                         ―柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻二・二〇八)
黄葉もみちばの りゆくなへに 玉梓たまづさの 使つかひを見れば ひし日思ほゆ
《あの使い 黄葉もみじ時分じぶんに また見たら 一緒った日 思いすんや》
柿本人麻呂かきのもとのひとまろ―(巻二・二〇九)

悔しさ もどかしさ 悔悟かいごの念去りやらぬ 人麻呂


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古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
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