NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【一月二十五日】放映分
楽浪の 志賀津の子らが 罷り道の 川瀬の道を 見れば寂しも
《楽浪の 滋賀のあの児が 水死んだ云う 川の瀬の道 見てたら寂し》
―柿本人麻呂―(巻二・二一八)
【万葉歌みじかものがたり】《志賀津の子らが》
(あの日の湖畔 さざ波が光っていた
出仕して まだ日も浅い 近江の宮
何知らぬ 若僧に 絢爛しい宮であった
それにも増して 遠くにちらと見た 采女
あぁ吉備津の采女
美麗しい限りであった)
秋山の したへる妹 なよ竹の とをよる子らは いかさまに 思ひ居れか 栲縄の 長き命を
《秋の黄葉が 照る様で しなやか竹の 様な児が 何を思たか 分からんが 儚うなって 仕舞たんや》
露こそば 朝に置きて 夕は 消ゆといへ 霧こそば 夕に立ちて 朝は 失すといへ
《露言うのんは 朝結び 夕方なると 消える云う 霧言うもんは 夕方立って 朝来た時に 消えて仕舞う》
梓弓 音聞くわれも おほに見し こと悔しきを 敷栲の 手枕まきて 剣大刀 身に添へ寝けむ 若草の その夫の子は
《あの児評判は 聞いてたが 気に留めせんと 居ったんや 手枕し合て 仲良うに 並んで寝てた 連れ合いは》
寂しみか 思ひて寝らむ 悔しみか 思ひ恋ふらむ 時ならず 過ぎにし子らが 朝露のごと 夕霧のごと
《寂しゅう思て 寝てんかな 悔しゅう思て 偲ぶんか 寿命待たんと 死んだ児は まるで朝露 夕霧や》
―柿本人麻呂―(巻二・二一七)
楽浪の 志賀津の子らが 罷り道の 川瀬の道を 見れば寂しも
《楽浪の 滋賀のあの児が 水死んだ云う 川の瀬の道 見てたら寂し》
―柿本人麻呂―(巻二・二一八)
そら数ふ 大津の子が 逢ひし日に おほに見しかば 今ぞ悔しき
《大津の児 気にも留めんと 見てた日が 今となったら 悔しで頻り》
―柿本人麻呂―(巻二・二一九)
古思う人麻呂
胸過ぎるは キラキラしい 宮 采女
楽浪の 比良山風の 海吹けば 釣りする海人の 袖返る見ゆ
《比良山の 吹き下ろし風 湖に吹き 漁師の袖が 翻っとる》【槐本の歌一首】
―柿本人麻呂―(巻九・一七一五)
もののふの 八十宇治川の 網代木に いさよふ波の ゆくへ知らずも
《宇治川の 網代の木ぃに 寄る波は 淀みたゆたい 何処行くんやろ》
―柿本人麻呂―(巻三・二六四)
妹らがり 今木の嶺に 茂り立つ 妻松の木は 古人見けむ
《今木峰 枝葉繁らし 立つ松を 昔の人も 見たんやろうか》
―作者未詳(人麻呂作?)―(巻九・一七九五)
(宇治若郎子-仁徳異母弟-の宮処〈宇治〉にて)
懐古感懐を胸底に秘め 人麻呂は 帰路を辿る
――――――――――――――――――――
【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
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平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
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【一月二十五日】放映分
楽浪の 志賀津の子らが 罷り道の 川瀬の道を 見れば寂しも
《楽浪の 滋賀のあの児が 水死んだ云う 川の瀬の道 見てたら寂し》
―柿本人麻呂―(巻二・二一八)
【万葉歌みじかものがたり】《志賀津の子らが》
(あの日の湖畔 さざ波が光っていた
出仕して まだ日も浅い 近江の宮
何知らぬ 若僧に 絢爛しい宮であった
それにも増して 遠くにちらと見た 采女
あぁ吉備津の采女
美麗しい限りであった)
秋山の したへる妹 なよ竹の とをよる子らは いかさまに 思ひ居れか 栲縄の 長き命を
《秋の黄葉が 照る様で しなやか竹の 様な児が 何を思たか 分からんが 儚うなって 仕舞たんや》
露こそば 朝に置きて 夕は 消ゆといへ 霧こそば 夕に立ちて 朝は 失すといへ
《露言うのんは 朝結び 夕方なると 消える云う 霧言うもんは 夕方立って 朝来た時に 消えて仕舞う》
梓弓 音聞くわれも おほに見し こと悔しきを 敷栲の 手枕まきて 剣大刀 身に添へ寝けむ 若草の その夫の子は
《あの児評判は 聞いてたが 気に留めせんと 居ったんや 手枕し合て 仲良うに 並んで寝てた 連れ合いは》
寂しみか 思ひて寝らむ 悔しみか 思ひ恋ふらむ 時ならず 過ぎにし子らが 朝露のごと 夕霧のごと
《寂しゅう思て 寝てんかな 悔しゅう思て 偲ぶんか 寿命待たんと 死んだ児は まるで朝露 夕霧や》
―柿本人麻呂―(巻二・二一七)
楽浪の 志賀津の子らが 罷り道の 川瀬の道を 見れば寂しも
《楽浪の 滋賀のあの児が 水死んだ云う 川の瀬の道 見てたら寂し》
―柿本人麻呂―(巻二・二一八)
そら数ふ 大津の子が 逢ひし日に おほに見しかば 今ぞ悔しき
《大津の児 気にも留めんと 見てた日が 今となったら 悔しで頻り》
―柿本人麻呂―(巻二・二一九)
古思う人麻呂
胸過ぎるは キラキラしい 宮 采女
楽浪の 比良山風の 海吹けば 釣りする海人の 袖返る見ゆ
《比良山の 吹き下ろし風 湖に吹き 漁師の袖が 翻っとる》【槐本の歌一首】
―柿本人麻呂―(巻九・一七一五)
もののふの 八十宇治川の 網代木に いさよふ波の ゆくへ知らずも
《宇治川の 網代の木ぃに 寄る波は 淀みたゆたい 何処行くんやろ》
―柿本人麻呂―(巻三・二六四)
妹らがり 今木の嶺に 茂り立つ 妻松の木は 古人見けむ
《今木峰 枝葉繁らし 立つ松を 昔の人も 見たんやろうか》
―作者未詳(人麻呂作?)―(巻九・一七九五)
(宇治若郎子-仁徳異母弟-の宮処〈宇治〉にて)
懐古感懐を胸底に秘め 人麻呂は 帰路を辿る
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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
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