コニャックとアルマニャック

2018-12-15 19:49:42 | 美食
明日の料理塾では

予定通りビュッシュドノエル(薪型ケーキ)を作ります

初めて作ったのは

入江真木 小沢征爾の今の奥さんの母親 の本を見て でした

そこには台生地にもクリームにもブランデーを使うと指示がありました

私はいつも家にある極上ブランデーを使ってきました

二十年前からはコニャックやアルマニャックのナポレオンやXOを使って

今うちにあるのは

二十年前のいただき物です

馬上のナポレオンを象った替え栓のコルクがボロボロになって

ブランデーの中にコルクくずが沈んでいます

ずっと薪型ケーキのためだけに消費してきました(勿体ない)

二十年前

私の京都のカフェににこにこ微笑みかける来客がありました

「私のことわかる?」

というからには知っている人なのだろうと推測して

その笑顔と声に一致する人に思い当りました

「マサコさん」

わー、小学校卒業以来会っていない友人でした

しかも小学時代に親しかったわけでもありません

私は例によってずっこけた愚行をしでかす生徒

マサコさんは大きな病院の娘で、大人びた微笑みで傍観している人でした

「エミコさんから、石井さんが京都にカフェを開いたと聞いて」

「どこに住んでいるの」

「三重県の津市」

私鉄の関西では乗り継げは簡単に来られるように言っていました

マサコさんは私のカフェのメニューを見て

「うちにいっぱいもらいもののブランデーがあるけど送っていい?」

といって四本も送ってくれました

そのうち二本は来客に供してなくなりましたが

まだ二本が残っています

コニャックはコニャック地方のブランデー

アルマニャックはアルマニャック地方のブランデー

いつもは棚の中にしまっているのを

この季節だけはお菓子作りに出してきます

いまだにうちにあってお菓子に使っていると知ったら

マサコさんは怒るかなあきれるかな

と思って瓶を眺めていたら

エミコさんから手紙が届きました

エミコさんのところに、マサコさんのご主人から喪中はがきが来て

マサコさんが今年の一月に亡くなったことを知ったと

小学校以来ずっと会わなくて二十年前に一度会っただけ

でもマサコさんの好意が

薪型ケーキの中にこれからも続いていきます

ナポレオンの薪型ケーキ

XOの薪型ケーキ