はぎわら_m の部屋
社会・時事批評、オピニオン、初等物理の気まぐれ考究、物理教育放談

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政治社会問題関連の話題ばかりのスタートになってしまいました。
科学的な話に少し目を向けます。(本格始動には未だ至りませんが.)
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飛行機等の翼で揚力が発生する原理を「ベルヌーイの法則」によって説明する例をよく見かける(実際、うちの子供が読む科学雑誌でこの趣旨(に沿ったつもりらしい)の説明イラストを何度も見かけた)。これについては、従来よりいろいろな疑問や問題の指摘がなされており、見識のある人の間では、正しい共通認識がなされているようである。
〔例えば最近見つけたサイト:野尻ボード

ここで言いたいことは、揚力原理の内容に立ち入ることではない(既に上記サイト内等に答え(のヒント)はある)。
私が大変不思議に思うことは、プロペラが空気の流れと推進力を生む原理と、翼が揚力を生む原理を、別々の現象のように扱うことを、どうして、記事を書く人(も読む人も)不自然に思わないのだろうか、またそれ以前に、ベルヌーイの法則に結びつけたとして揚力の原因が本当に納得できたのだろうか、ということである。

科学的な納得というのは、その場その場の都合のよい説明によっては、決して得られないと思う。むしろ、なるべく都合の悪い例を考えて、それでも、成り立つ基本原理を感じたときにこそ、心底理解した気持ちになる。

翼の断面形の話を持ち出すときには、背面飛行が実現できる事実も示すべきだ。同様に、例えば、滑車の動きを扱うときには滑車の運動量・運動エネルギーがあり得ることも語るべきだし、気体の入ったシリンダのピストンが動くときには、シリンダ外にどのような力学的変化が生じるかにも考えを巡らすべきだ。

世に定着しているからと言って、それが本当に納得できる説明法なのかどうか、、少なくとも教育的な著述や情報発信をする者は、根本から問い直す姿勢を持ち続けねばならないと思う。

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