はぎわら_m の部屋
社会・時事批評、オピニオン、初等物理の気まぐれ考究、物理教育放談

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流体の「ベルヌーイの定理」は、(気流が関わる現象の一般向け解説等で)誤った因果づけ・理由づけに利用されていることが多い。しかも、この誤りがそのまま繰り返し引き継がれてしまい、ベルヌーイの定理の本来の意味や価値が曲解されて周知される事態に至っていると思う。とても由々しき問題である。

「一般に気体の流れが速いほど圧力は低下する.」という命題は明らかに誤りである。言うまでもなく、速くて高圧の気流だろうと、遅くて低圧の気流だろうと、いくらでもつくることはできる。さすがにこの文章的な誤謬は大抵の人が見破るだろうが、実際的な例にきれいな図など添えて、もっともらしく「ベルヌーイの定理によれば、、云々」などと書かれると、多くの人がこの誤文章と同様の主旨の説明法に騙されてしまう。

とにかく、ベルヌーイの定理の意味を、きちんとした日本語で表現してみることだ。

・ベルヌーイの定理の定性的な意味(流体に対する重力の効果が無視できる場合):

さらさらした流体の一続きの流れを考えるとき、その経路途中に流速が速く(遅く)なる場所があるとすれば、その経路手前側の圧力が下流側よりも高く(低く)なっている。(その圧力差によって加速(減速)が起こるのだ.)(described by はぎわら_m)

― このとおり、直感的にも納得しやすい自然で明快な意味をもっている。何故、わざわざ不可解な解釈をすることが広まってしまったのだろうか、、。

=====
〔PS〕
何故かここしばらく、流体・水理学関係のような記述が多くなってしまったが、私は別に流体の分野に詳しいわけではなく、むしろ、流体は一番勉強不足の科目の一つと言った方がいい(ただ、力学の後半の授業を受け持つ関係で関心が向いているとは思う)。お叱りは覚悟(および少し期待)しているので、何なりとご指摘いただきたい。(例えば、上の記述なども、「オイラー的記述との整合性、、云々」などの文句がありそう、、^^;)

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