はぎわら_m の部屋
社会・時事批評、オピニオン、初等物理の気まぐれ考究、物理教育放談

〔コメント数の数字クリックで書き込みができます〕
 



北朝鮮が日本海に複数のミサイルを断続的に発射した。報道メディアはかなり煽ったが、国民は比較的冷静だったように思う。

ミサイルが飛び交うなどというのは、言うまでもなく、全く忌まわしいことである。絶対にやめてほしい。しかしそれは、今回、北朝鮮が発射した行為が取り立てて極悪という趣旨ではない。ミサイルなどという、人間の幸せに結びつかないものを、知恵とお金と労力を使ってつくり出していること自体が極悪なのだ。

前にも記したように、軍備というものは、耐用年数がくれば廃棄されるだけだ。戦車や戦闘機ならば、演習などに使うことができるが、ミサイルとなれば、撃ってみなければ本当に動作するかどうかも分からない。そこで、開発・設置に携わった技術者の立場からは、(耐用年数がくる前に)実験をしてデータをとることを目指すのが当然となる。軍備は、造られたならば、演習か実験に使われると考えるべきものなのだ。だから、北朝鮮のミサイルを批判するのであれば、(発射された時でなく)造られていることが分かった時点で、強力に文句を付けなければならない。ミサイルをもたない我が国には、本来それを主張する権利があるはずだ。しかし、我が国に駐留する米軍の装備には、ミサイルに相当するものが含まれているのだろう(詳しい知識をもつわけではないが)[*]。そうとなれば、今の我が国の主張、すなわち、弾頭を積まないミサイルの発射試験に対して、制裁を含む国際レベルの大がかりな非難決議を求めることに、どれほどの説得力があるか、、甚だ心もとないこととなってしまう。このことは、ミサイル大国であるアメリカもロシアも意識しているはずだ。

相手がミサイルの発射実験をしたら、こちらには、その実性能を知る機会が与えられるわけだから、できるだけ高度なデーター収集をすることに徹すればよい。また、発射の予見や、発射の瞬間の把握ができていることを相手に見せつければいい。そして、メディアは、このような収集情報とその科学的分析結果を、淡々と一般国民に知らせればいい。間違っても、我が国までもがミサイルを持って対抗する(そして軍需産業に富を進呈する)などという方向に国民を誘導しないでほしい。

---
参考ニュース:Yahoo!ニュース - 共同通信 - 海自護衛艦がミサイル訓練 ハワイ沖リムパック

参考ブログ:気まぐれ資料館: 『テポドン発射』と『弾道ミサイル迎撃』を結ぶ糸

=====
〔お知らせ〕
前日の記述 はぎわら_m の部屋:2006年7月11日 の最後に、Win98サポート中止に関するコメントを追記しました。




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )