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秩父鉄道7800系電車~末端区間折返運行用の2両編成車

2013-10-22 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

先日「MAKIKYUのページ」では、終焉迫る秩父鉄道1000系に関して取り上げましたが、同系画像の列車行先が「影森」行きとなっている事に気付かれた方も多いかと思います。

秩父鉄道では元々朝晩などを中心に、影森発着の列車も運行しているものの、近年になって平日昼間の影森~三峰口間で2両編成車をピストン運行し、この時間帯の羽生・熊谷方面の列車(3両編成)とは同駅で乗換となるダイヤが幾つかできており、MAKIKYUが先日乗車した1000系の影森行きも、同駅で三峰口行きに接続する列車でした。

影森~三峰口間は山間を走り、平日昼間などはかなり利用が限られますので、節電必須の世相も踏まえながら、列車本数を確保するとなれば、車両代替の機会に減車し、同区間専属の短編成車を運行するのは、乗り換えの手間(影森駅では同じホームで乗換可)を別とすれば、妥当な所と感じます。

秩父鉄道では過去には2両編成を2編成連結した4両編成なども運行しており、これらが存在していれば、2両編成での運行も容易なのですが、近年は急行も含め、西武線直通列車(西武4000系充当)とSL牽引の客車列車を除くと、全て3両編成に統一された状況でしたので、影森~三峰口間2両運行実施に当たり、わざわざ新たに2両編成車を導入しています。


この2両編成車が7800系で、近年導入が進む7500系と同じく、元東急大井町線の8000系列を種車にしていますが、7500系の先頭車は東急時代に先頭車だった車両をそのまま活用しているのに対し、7800系では中間車だった車両を先頭車化改造している事もあり、種車は同一でも見た目は大きく異なるものとなっています。

東急では以前、日比谷線直通などで活躍しており、一部は今でも大改造を経て東急線内でも活躍している7000系電車の地方譲渡が進められた時期に、元々先頭車だった車両だけでは先頭車数が不足し、中間車を先頭車化改造した車両が多数登場した他、最近譲渡が進んでいる1000系電車でも同種事例があります。

これらは機能重視で、個人的にはお世辞にもスマートとは言い難い風貌の車両ばかりという印象があり、8000系列の改造車となっている7800系では、前面上部全体を黒塗りとした事によって、ただでさえスマートとは言い難い風貌が尚更…と感じる状況になっています。
(2両編成車を一目で見分けるには、ステッカー以上に有用な方法とも言えますが…)

 
また元々電動車だった車両を種車にしており、客室内床下にはモーター点検蓋が設けられているにも関わらず、一方(三峰口方)は電装解除した「偽電動車」となっており、改造で設置された運転台と客室との仕切りは、8090系原型車に比べて助士席側窓が極端に小さくなっているといった特徴もあります。
(写真は左側が7800系・右側が7500系の運転席仕切りです)


種車が7500系と同一なだけに、乗ってしまうと両数以外は現在主力の7500系と大差ない車両ながらも、よく見ると色々差異が見受けられるのも注目点と感じます。

この7800系は影森~三峰口間折り返し列車と、この運用に関連した運用に充当するための最低所用数に留まるのか、それとも今後他区間での2両編成頻用で数を増やすのかも気になる所です。

仮に今後7800系が数を増やすとすれば、ラッシュ時間帯の一部列車などで、過去に秩父鉄道で見られた2+2両の4両編成運転(設備的には可能かと思います)が再現されるのか、また既に富山地方鉄道に8590系一部車両が譲渡されていますが、秩父でも先頭車化改造車だけでなく8590系先頭車同士の編成などが出てくるのか否かも注目したいものです。