6月にMAKIKYUが足を運び、乗車する機会があった長崎県の佐世保市営バスでは、先日取り上げた江ノ電バスグループから移籍した日産ディーゼル製大型路線車以外にも、小田急グループのバス事業者から移籍した車両が多数活躍しています。
その中でも最もありふれた存在と言える車両が、小田急グループはおろか、本州のバス事業者全般を見渡しても、運行台数では最大規模を誇る事業者から移籍した三菱エアロスターで、近年この車両を多数保有するこの元事業者をはじめ、大都市圏の様々な事業者から地方へ移籍する車両が相次いでいます。
この元事業者の路線車では、所属車両の大半で前面窓下に運賃支払い方法を表示する小窓を取り付けており、他では余り見られない大きな特徴となっていますが、そのお陰でエアロスターでは標準装備、デザイン上も大きなインパクトがあるセーフティウィンドゥ(死角確認窓)が設けられていないのも特徴です。
地方事業者への移籍時は、この小窓やその表示内容(前払い/後払い)を生かしていたり、小窓だけが残存している事も多いのですが、佐世保市営バスではこの小窓自体を埋めています。
側面もこの前面小窓と連動した出入口表示を埋めており、行先表示器設置箇所の窓も交換し、元事業者とは異なるサイズのLED表示器を設置するなど、元事業者の面影は随分薄れたものとなっています。
しかしながら、それでもセーフティウィンドゥ設置部分が窪んでいたり、元事業者の少し前の車両では大きな特徴となっている出っ張った前面バンパーなど、幾つかの特徴は残存しています。
この車両にも乗車機会がありましたが、車内は元事業者の仕様がほぼそのまま残存しているものの、首都圏→西日本の事業者に移籍した車両では、日射対策の強化が行われている事例が多く、この車両では元事業者の車両では設置されていないブラインドを設置、そしてこのブラインドの固定用レール形状が非常に特徴的です。
(日射対策はカーテン設置やスモークフィルム貼り付けなど、事業者によって差異が見受けられ、興味深いものです)
また多数派のエアロスターに混じり、富士7E車体のいすゞV8エンジン装備車も活躍しており、こちらにも乗車機会がありました。
改造内容はエアロスターと類似しているものの、エアロスターに比べると活躍数だけでなく、車両のインパクトなども今一つという印象があります。
小田急グループからの移籍車両は、乗車機会こそなかったものの、これ以外にも目撃しており、こちらはサッシが黒色、外観上も現行最新モデルと大差ない上に、まだ結構な数の旧年式車が活躍している土地柄もあってか、素人目には新車と大差ない車両と映りそうです。
6月に佐世保へ足を運んだ際には、有名な九十九島観光などへは足を伸ばせず、市営バスは市内中心部から各所へ、都市規模の割には結構な規模で運行していますので、機会があれば九十九島観光なども兼ねて、また佐世保市営バスにも乗車できれば…と感じたものでした。