竹中正治氏が日経ビジネスONLINEに、もう鳩山首相をあきらめる?と言う記事を投稿していた。
要約すれば、Yを国民所得、Cを消費、Iを投資、Gを政府支出、Tを税収とすれば、
Y=C+I+G
C=0.8(Y-T)(0.8は限界消費性向)
だから、結局Yは
Y=5I+5G-4T
と表されるため、例えば、10兆円の増税をしても、結局差引10兆円ほど国民所得は増えるので、増税して、その分政府支出を増やせば景気対策になると言う主張である。
しかし、この議論は大切な事を無視している。それは、増税をすれば、消費者の購買意欲がシュリンクして、それは結局はIの減少分としてYに効いてくるのだ。また、政府支出自体が、民間の投資をシュリンクさせるということもある。政府支出に関係なくIが不変と言う仮定には無理があるだろう。結局増税による政府支出増は有効な経済対策とはならないのである。
(追伸)
・現在記事のこの部分は、日経ビジネスONLINEにログインしないと見られない。
・この混乱の原因は、学生に乗数効果を説明するためのIを一定としたモデルで、そのまま、現実経済を説明しようとしていることだろう。モデルには、それぞれ適用できる範囲というものがある。現実を説明できないモデルで、無理に現実を説明しようとするのは、モデルというものに対する理解が不足しているのではないかと思われる。
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しかし、この議論は大切な事を無視している。それは、増税をすれば、消費者の購買意欲がシュリンクして、それは結局はIの減少分としてYに効いてくるのだ。また、政府支出自体が、民間の投資をシュリンクさせるということもある。政府支出に関係なくIが不変と言う仮定には無理があるだろう。結局増税による政府支出増は有効な経済対策とはならないのである。
(追伸)
・現在記事のこの部分は、日経ビジネスONLINEにログインしないと見られない。
・この混乱の原因は、学生に乗数効果を説明するためのIを一定としたモデルで、そのまま、現実経済を説明しようとしていることだろう。モデルには、それぞれ適用できる範囲というものがある。現実を説明できないモデルで、無理に現実を説明しようとするのは、モデルというものに対する理解が不足しているのではないかと思われる。
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また、Y=C+I+Gは、外国の存在を無視したモデルなので、実際には、乗数効果はかなり小さくなるという話もあります。
本来は、財政投資は、国の将来を見据えて、本当に整備すべき社会的共通資本に「無駄なく」行ってくれればいいのですが、これまでを見ていると、あまり期待はできないでしょう。
また、財政投資でも、金券の配布でも、増税と引き換えなら効果は疑問です。結局は、国債の発行ということになるのでしょうが、巨大な財政赤字がネックですね。
しばらくは我慢しながら、国の成長に欠かせない、教育や科学技術開発と国民の不安をなくす福祉面の充実といったようなところに投資をしてくしかないのかもしれません。本当は、この辺りを経済学者に考えてほしいのですが、これまでのところ、納得できるような意見が見当たらないのが残念です。
竹中氏の案に賛成という訳ではありませんが、風竜胆さんの上記の説明部分について、
もし政府支出が「限付きの金券」のような、預金不可な金券を消費者へ直にばら蒔いた場合には、購買意欲も民間投資もシュリンクさせないかもしれない、と思いました。
その場合には、お金は還流する事で経済を膨らませるので、一定の経済効果はあるかもしれません。
竹中氏の案の良し悪しは別にして、上記の考えは正しいでしょうか?
また、機会があればよろしくお願いします。
TBどうしても通らないようなら、コメントにURLを張り付けていただければと思います。