「君との婚約は破棄する!」これは乙女ゲー「ティンクル★ストロベリー 真実の愛の行方」の中でこの国の第一王子で王太子のマーク・デルクンドが侯爵令嬢シャルニカ・エーメイリオスに王立学園卒業式のパーティという公式の場で投げかけた台詞だ。
婚約破棄の理由が真実の愛を見つけので、ミルキア・アッパハト子爵令嬢と結婚するというものである。要するに只の浮気でありシャルニカには何の落ち度もないのだ。
王太子というと、この手の小説はだいたい禄でもない人物が出てくるのだが、この話もそれに違わない。
しかし、よくあるようにシャルニカは転生者というわけではない。ゲームをしていた鈴木まほよが、自分も同じような体験をしているということで、ゲームの外からシャルニカにアドバイスを送るというもの(なぜか干渉できる)。もっともシャルニカは、まほよのアドバイスを女神ヘカテの神託と思っているようだ。このように転生者ではなく外からゲームの世界にアドバイスできるというのがまず1つ目の面白いところだ。
結局マークとミルキアは、断罪され、辺境の一代男爵として廃嫡・追放されることになる。そしてシャルニカは、新しく王太子となったリック・デルクンド第二王子の婚約者となるのである。
これで終わりかと思ったら、マークとミルキアはその後何度もやらかし、その度に断罪されるが、最期には地獄に落ちてしまう。それでもやらかそうとしているのだが、結局何かやらかす度に「ざまあ」されてしまう。このように「ざまあ」が1度で終わらずに何度も繰り返されるというのが、2つ目の面白いところである。この「ざまあ」ぶりがなんとも痛快なのだ。
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