地球科学というとなんだかかっこいい気がするが、高校の理科の課目で言えば地学である。この地学、いまの高校生には人気が無いようで、かって行われた調査によれば履修率が10%以下であるらしい。その大きな原因は、大学入試の受験科目になっていないからだと著者は言う。
私は少し違う意見だ。一番の原因は文科省がやたら選択科目を増やしたことにあると思う。要するに地学を履修しなくても高校を卒業できるのだ。
私は工学部で電気工学を学んだ。私が受験した大学では、工学部の理科受験科目は物理と化学が指定されていた。それでも地学は履修している。私たちのころは、高校理科では地学が必修だったので、文理に関係なく1年の時はこの科目を履修していた。私の通っていた高校は1学年120人位しかいない、田舎の公立校だったが、全員が地学を学んでいたのである。
地学に関することはスケールが大きく、ロマンがある。私自身も大学・大学院修士と電気工学を学んだが、地学のロマンに魅かれて秋田大学の通信教育で地球科学を勉強した。
本書を読むと、私が通信教育で勉強したことも多い。もちろん本書は一般向けに書かれているが、本書を先に読んでおけばもっと通信教育の理解が進んだと思う。地球科学の入門書としてぜひ読んでいただきたい1冊である。
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