文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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珈琲店タレーランの事件簿 6  コーヒーカップいっぱいの愛

2019-11-29 08:41:41 | 書評:小説(ミステリー・ホラー)
珈琲店タレーランの事件簿 6 コーヒーカップいっぱいの愛 (宝島社文庫 『このミス』大賞シリーズ)
岡崎 琢磨
宝島社

 なんと3年ぶりに新作が出たこのシリーズ。前巻でアオヤマ氏が、切間美星にプロポーズの言葉らしき言葉を言っていたので、てっきり前巻で完結したと思っていたら、まさかの新作。

 逆に言えば、この3年間全く二人の仲は進展していなかったことになる。何をやっているんだアオヤマ。

 この巻では、タレーランのオーナーで美星の大叔父でもある藻川又次が狭心症で倒れてしまう。又次の妻千恵が生きていたころ、又次がコーヒーカップを割ってしまったときに、怒った千恵が1週間帰ってこなかったことがあった。今回のテーマは、この謎解きをすること。そして明らかになってくる、画家で故人の影井城と千恵との関係。

 アオヤマ、美星は、静岡からやってきた又次の孫という藻川小原(オハラ)といっしょに当時のことを調べ始める。最後にどんでん返しなんかがあったりして、なかなか楽しめる。

 こんどこそ、最後にプロポーズの言葉があったので、これで完結だろう。

「僕はあなた以外と結婚なんてしない。(中略)藻川さんと奥さんのような、素敵な二人になりたいと思っています。美星さん、僕と正式にお付き合いしていただけませんか」(p296)



 でもヘタレのアオヤマ君のことひょっとしたら、また何の進展もないまま、次巻が発売される可能性もある。おまけに作家には、プロポーズを無かったことにするという必殺技もあるからなあ。 

☆☆☆☆

※初出は、「風竜胆の書評」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

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