文理両道

専門は電気工学。経営学、経済学、内部監査等にも詳しい。
90以上の資格試験に合格。
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今いる仲間で「結果が出る会議」をつくる

2019-06-05 09:49:41 | 書評:ビジネス
今いる仲間で「結果が出る会議」をつくる
池本克之
実務教育出版

 正直に言うと、私は会議というやつが大嫌いである。なぜなら、会議とは名ばかりで、決まったことを伝達するだけのものや、毎月定例で惰性でやっているとしか思えないようなものが大半だったからだ。おまけに、主催者側の安全策だろうか。ほとんど関係がないような者まで呼ばれる。本当に時間の無駄遣いである。本書は、そんな会議から抜け出し、有意義で結果の出るものにしようとするものである。

 一番ダメな会議は、社長や上司の独演会になっているものだという。出席者の意見をろくに聞かず、一方通行で指示・命令を行う。著者もかってはそういった上司だったようだ。著者が変わったのは、海外の不動産を管理する子会社に出向したことによる。そこでは会議を必要最小限の時間しか行わず、会議が始まる前には、誰が言うともなくボードにアジェンダ(議題)が書き出され、ほぼ全員が発言する。この会議の進め方にショックを受けた著者は、その会議のやり方を真似するようになったという。

「会議」とは、意思決定を行う場です。必要な人と必要な情報があらかじめ集まっており、できるだけ短時間で、できるだけ全員参加の方がいい。 (p34)



 もちろん意思決定をするのは、それなりの権限を持っている人だ。しかし、意思決定を行う前に関係者と議論をしておくのは無駄にはならないだろう。そして会議に参加するのは、本当に「必要な人」だけでいい。あまり関係のない人の時間を奪うということはやってはならないのだ。そして、発言もせず、会議に参加していないような人がいれば、その人は本当に必要な人ではないということになる。

本書は、会議の進め方、発言の増やし方など、マンネリ化した会議をどうにかしたいと考えている人には大いに参考になることだろう。

(余談)
 著者の経営している会社の社員に必ず読んでもらっているという「必読書リスト」が入れられている(pp.158-159)が、すまん、一冊も読んでない。orz

 読んだ本を他の人にシェアする方法として、紹介文のフォーマットが付いている(p160)が、ブログ書評を続けていて、ビジネス書もそのレンジに入れている者として一言言いたい。よくビジネス書専門の書評ブログというのがあり、いかにも定型的に本の紹介をしているのだが、私は面白くないのでほとんど読まない。

 書評というのは一種の文芸であり、定型的なものを読んでも面白くないのは当然だろう。世の中には「守破離」という言葉がある。最初はこういったフォーマットを利用しても仕方がないのだが、慣れてきたらぜひ色々と面白く読めるように工夫して欲しいと思う。

☆☆☆☆

※初出は、「本が好き!」です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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