とうとう『ファウストの劫罰』の最終公演日。シリウスでの鑑賞です。
今日の公演のチケットを買った人は大きく二つに分かれるのではないでしょうか?
① デリック・イノウエという指揮者がどうこの作品を振るか?レヴァインと比べてみたいオペラヘッド。
② 話題の公演ということでよく確かめず今日もレヴァインの指揮だと思ってチケットを買い、
開演してから、”誰だ、この指揮者は?”とうろたえたうっかりさん。
もちろん、この日にしか予定が空いていなかった人、NYへ旅行で来られてこの日しか観れない、
という方もいらっしゃることはいらっしゃるでしょうが、、。
私は①のタイプとして今日もがっちりラジオの前に張り付いているのですが、
ラジオなら、”あらららら、、”という演奏なら指一本でラジオを消してしまえますが、
オペラハウスに行って、”あらららら、、”はきついだろうなあ、、大丈夫かなあ、
なんていうちょっぴり心配な心持ちで聴き始めたのですが、結論、悪くはありませんでした。
というか、オケが完全にレヴァインに仕込まれたせいか、なんだか勝手にどんどんと
演奏してくれている感じで、これならば、イノウエさん(名前から想像されるとおり、
日系の方。カナダ人だそうです。)じゃなくっても、
私が指揮台に立ってもこんな感じでオケが演奏してくれるんじゃないか?と
誰かに後ろから殴られそうな妄想にとらわれたくらいです。
もちろん、そんなわけはないのでしょうが、レヴァインのアシスタントも勤めたりしているようなので、
そのせいもあってか、良くも悪くも演奏が本当にレヴァインが指揮したときとそっくり。
がっかりさせられることがないという意味では良かったんでしょうが、
もうちょっとイノウエさんの個性が出ても良かったのではないか、と思います。
ただ、ハンガリー行進曲の辺は、一見、うきうきさくさくと快活に進んでいるように
聴こえるのですが、よーく聴くとやや表面的。
ほんのちょっとしたことなんですが、レヴァインの方が上手いな、と感じるところはありました。
歌手はいつもの力を出し切ってましたが、
レリエーは、割りとエクスポージャーの低い公演(レヴァインが指揮でないこの公演とか、
HDやラジオの放送でない公演とか)で冒険に出る傾向があって、
声にドスを聴かせたり、わりと自由にいろいろやってます。
ただ私は、彼はHDの時のような端正の歌の方が好みではありますが。
そして、今日は通勤途中、ランの最初の頃にシリウスの放送を録音したものを聴いていたのですが、
グラハムの歌唱がHDの日や、実演で観た日、また今日の演奏に比べると
少し不安定で、彼女はコンディションが悪いと、
音域によってシーム(継ぎ目)が出来、それより低い音では
ルネ・フレミングの低声にそっくりなちょっとぎょっとさせられる音になることがあることに気付きました。
その日の演奏では、彼女のブレスが”ずーひーずーひー”とものすごい音でマイクに拾われていて、
(これも一つにコンディションが悪いことを示唆する現象だった可能性があります。)
電車の中で呆然としながら聴いてました。
ライブ・イン・HDでは、いずれの理由でもぎょっとさせられることはなく、
彼女の最高の歌唱が聴けますので、これから鑑賞される方はご安心を。
Marcello Giordani (Faust)
Susan Graham (Marguerite)
John Relyea (Mephistopheles)
Patrick Carfizzi (Brander)
Conductor: Derrick Inouye
Production: Robert Lepage
Associate Director: Neilson Vignola
Set Design: Carl Fillion
Costume Design: Karin Erskine
Lighting Design: Sonoyo Nishikawa
Interactive Video Design: Holger Foerterer
Image Design: Boris Firquet
Choreography: Johanne Madore, Alain Gauthier
ON
*** ベルリオーズ ファウストの劫罰 Berlioz La Damnation de Faust ***
今日の公演のチケットを買った人は大きく二つに分かれるのではないでしょうか?
① デリック・イノウエという指揮者がどうこの作品を振るか?レヴァインと比べてみたいオペラヘッド。
② 話題の公演ということでよく確かめず今日もレヴァインの指揮だと思ってチケットを買い、
開演してから、”誰だ、この指揮者は?”とうろたえたうっかりさん。
もちろん、この日にしか予定が空いていなかった人、NYへ旅行で来られてこの日しか観れない、
という方もいらっしゃることはいらっしゃるでしょうが、、。
私は①のタイプとして今日もがっちりラジオの前に張り付いているのですが、
ラジオなら、”あらららら、、”という演奏なら指一本でラジオを消してしまえますが、
オペラハウスに行って、”あらららら、、”はきついだろうなあ、、大丈夫かなあ、
なんていうちょっぴり心配な心持ちで聴き始めたのですが、結論、悪くはありませんでした。
というか、オケが完全にレヴァインに仕込まれたせいか、なんだか勝手にどんどんと
演奏してくれている感じで、これならば、イノウエさん(名前から想像されるとおり、
日系の方。カナダ人だそうです。)じゃなくっても、
私が指揮台に立ってもこんな感じでオケが演奏してくれるんじゃないか?と
誰かに後ろから殴られそうな妄想にとらわれたくらいです。
もちろん、そんなわけはないのでしょうが、レヴァインのアシスタントも勤めたりしているようなので、
そのせいもあってか、良くも悪くも演奏が本当にレヴァインが指揮したときとそっくり。
がっかりさせられることがないという意味では良かったんでしょうが、
もうちょっとイノウエさんの個性が出ても良かったのではないか、と思います。
ただ、ハンガリー行進曲の辺は、一見、うきうきさくさくと快活に進んでいるように
聴こえるのですが、よーく聴くとやや表面的。
ほんのちょっとしたことなんですが、レヴァインの方が上手いな、と感じるところはありました。
歌手はいつもの力を出し切ってましたが、
レリエーは、割りとエクスポージャーの低い公演(レヴァインが指揮でないこの公演とか、
HDやラジオの放送でない公演とか)で冒険に出る傾向があって、
声にドスを聴かせたり、わりと自由にいろいろやってます。
ただ私は、彼はHDの時のような端正の歌の方が好みではありますが。
そして、今日は通勤途中、ランの最初の頃にシリウスの放送を録音したものを聴いていたのですが、
グラハムの歌唱がHDの日や、実演で観た日、また今日の演奏に比べると
少し不安定で、彼女はコンディションが悪いと、
音域によってシーム(継ぎ目)が出来、それより低い音では
ルネ・フレミングの低声にそっくりなちょっとぎょっとさせられる音になることがあることに気付きました。
その日の演奏では、彼女のブレスが”ずーひーずーひー”とものすごい音でマイクに拾われていて、
(これも一つにコンディションが悪いことを示唆する現象だった可能性があります。)
電車の中で呆然としながら聴いてました。
ライブ・イン・HDでは、いずれの理由でもぎょっとさせられることはなく、
彼女の最高の歌唱が聴けますので、これから鑑賞される方はご安心を。
Marcello Giordani (Faust)
Susan Graham (Marguerite)
John Relyea (Mephistopheles)
Patrick Carfizzi (Brander)
Conductor: Derrick Inouye
Production: Robert Lepage
Associate Director: Neilson Vignola
Set Design: Carl Fillion
Costume Design: Karin Erskine
Lighting Design: Sonoyo Nishikawa
Interactive Video Design: Holger Foerterer
Image Design: Boris Firquet
Choreography: Johanne Madore, Alain Gauthier
ON
*** ベルリオーズ ファウストの劫罰 Berlioz La Damnation de Faust ***