Opera! Opera! Opera!

音楽知識ゼロ、しかし、メトロポリタン・オペラを心から愛する人間の、
独断と偏見によるNYオペラ感想日記。

THE QUEEN OF SPADES (Fri, Nov 21, 2008)

2008-11-21 | メトロポリタン・オペラ
ここ数年、メトではゲルギエフが指揮することが多かったロシアものの上演ですが、
今シーズンの『スペードの女王』は15年ぶりに小澤征爾がメトで指揮することで話題になっています。
今日は、その『スペードの女王』のシーズン初日。

セイジ・オザワが登場した瞬間、ものすごい拍手。
登場しただけでこんなに観客が大喜びした指揮者は久しぶりで、
レヴァインが指揮するときに負けず劣らずの熱狂ぶり。
いつもの公演に比べると日本人の姿がやや多くはありましたが、
それでも全体の客筋としては、非日系のローカルのオペラファンが中心だったので、
この歓迎度にはびっくりです。

『スペードの女王』は『オネーギン』に並んでチャイコフスキーの名作ということになっていますが、
どうなんでしょう?
私は『マゼッパ』のような作品の方が断然好きなんですが。

『スペードの女王』は、第三幕は密度が高くて、素晴らしいと思うのですが、
私にとって、一幕、二幕は、そこに至るために仕方なく聴かなければならない、という
必修科目的な存在です。
予習CDである、ゲルギエフ指揮キーロフ盤を聴いても、
ゲルギエフは基本的にものすごく熱い(必ずしも内容が良い、という意味の”熱い”ではなく、
激しい、と言ってもいいかもしれません。)指揮をする人であるにも関わらず、
ニ幕で挿入される劇中劇のダフニスとクロエの物語のシーンを含む貴族の世界の描写とか、
これを言っちゃ身も蓋もないのですが、リーザとゲルマンの恋愛のシーンもなんだか説得力がなくて
盛り上がらない。
この感じは何かに似ている、、と思えば、ヴェルディの『仮面舞踏会』でした。
『仮面舞踏会』って、『椿姫』、『リゴレット』、『オテッロ』、『アイーダ』といった
超代表作に比べると、なんだか、とっちらかった印象を受けるのは私だけでしょうか?
また、この『仮面』の主役二人の恋愛には、正直、今ひとつ気持ち的に盛り上がれないんですが、
何となくゲルマンとリーザにも同じような距離を感じてしまいます。
私にとって、『スペードの女王』がしまるのは、伯爵夫人が関わるシーンと、賭博場が絡むシーン、この二つだけです。

ゲルギエフ指揮盤でリーザを歌っているのはグレギーナ、
ポリーナを歌っているのはボロディナ。それは、1992年のことでした。
二人の舞台写真がブックレットに入っているのですが、なんと初々しいことよ!!
ボロディナなんかめちゃくちゃ細くて可愛いく(現在の彼女とは
今やほとんどなんの接点もないほどに、、、)、16年の歳月は残酷です。

しかし、その残酷な歳月をものともせず、今日メトでリーザを歌うのは同じグレギーナ!
今の彼女はちょっとリーザには声も雰囲気もトウが立ちすぎなんじゃ、、。
そして、ゲルマンを歌うのはベン・ヘップナー。
、、、。もう、作品の設定を無視したおじさん/おばさんコンビとして受け入れるしかなさそうです。

第一幕

モシンスキーの演出は多少退屈だったり”??”と思う個所はあるものの、
全体としては作品の本質を損なわない演出で好感が持てます。
特に舞台美術の美しさは特筆ものです。
多くの演出家が採用し、今やほとんど時代遅れの感もあるのですが、
舞台の周りに大きい枠(この演出では額縁でした)を置き、
第三幕第二場でゲルマンが完全に気がふれてしまったことを表現するために、
リーザは枠の内側で、ゲルマンは外側で歌う、という手法が取られました。
(似た例では、ジンマーマン演出の『ルチア』でも、ルチアの狂気を表現するために、
緞帳が正気と狂気の境として使われていました。)

というわけで、この公演では、常に白い大きな額縁が手前にあります。
後、特徴的なのは、縦(舞台手前から奥)に長く舞台を使用し、
奥行きによって心理的な圧迫感を表現している点でしょうか?

ベン・ヘップナーのゲルマンは、ギルギエフ盤のグリゴリアンの深い声に比べると、
軽い羽毛のような声でやや拍子抜けします。
(声量はあるのですが、やや質感が軽いのです。)
彼はこれまでメトでは、トリスタンや、イタリアもののアンドレア・シェニエなど、
重い役ばかり歌っているのですが、この彼の選択(ともちろん役をオファーしているメト側にも)
には、声質の面で、前々から疑問を感じている私です。
彼は非常に綺麗な声をしているとは思うのですが、
これらの役を歌う強さが声にないので、何を聴いても不発弾のようで、
これでは観客の心に残る歌は歌えないのではないかと思います。
もうちょっと声にあった役を歌えばいいのに、、。
今日のこのゲルマン役も例外でなく、せっかく役作りには丁寧さが見られるのに、残念です。
しかし、この役作りの丁寧さが、公演の後半で彼の命綱になるとはこの段階では
予想だにしていない私でした。

グレギーナが歌うリーザ役はさすがに言葉の面で苦労がないだけあって、
イタリアものを歌うときとは違う余裕が感じられましたが、
予想通り、声にあまりに迫力がありすぎて、とても運命の力になぎ倒されて、
自らの命を絶つようなか弱い女性には聴こえません。



ポリーナを歌うセメンチャックが割とイメージ通りの少女らしい感じがあるだけに、
余計に、なんで少女(ポリーナ)とおばさん(リーザ)がお友達なんだろう、?という違和感があります。
セメンチャックはやや歌唱について個性にかけるきらいはあるものの、
耳に心地よいメゾ声で、まず何よりも役にぴったりな雰囲気を持っているのが強みです。
リーザとの二重唱もきっちり歌っていて、地味ながらしっかり舞台を支えていたと思います。

かなりがっかりだったのは、ニ幕には男前なアリアすら準備されている
お得なエレツキー公爵役を歌ったストヤノフ。
今シーズンは『ルチア』のAキャストでも、エンリーコを歌わせてもらってましたが、
『ルチア』の時も全くぴんと来なかったと同様に、このエレツキーでもまったくぴんと来ませんでした。

『ルチア』の時からもやもやとした感覚があったのですが、今日、はっきりしたのは、
ストヤノフはちびっこい!
本当に物理的に小さいのか、舞台で存在感がないために小さく見えるのかわかりませんが、
グレギーナやヘップナーといった体格の立派な歌手に囲まれてせかせかと歩きまわる子供のような姿には、
召使の役かと勘違いしそうになります。もう、お願いしますよ!!公爵なんだから!!
ただ、見た目だけがそれならまだしも、歌も公爵的な威厳に欠けているのですから
どうしようもありません。
彼にはNYに親衛隊か何かがいるのか、そのニ幕のアリア”私はあなたを愛しています Ya vas lyublyu"で、
大きな歓声があがっていましたが、勘弁してよ、本当に、です。
もっともっとしっかりした声で威厳のある歌を歌えるバリトンはいないのか?です。
このアリアは、パートは違いますが、なんだか、裏グレーミン公爵のアリア(『オネーギン』の
バスによるアリア、”恋は年齢なんか問わないもの Lyubvi vse vozrasty pokorny ")
みたいなので、似たような貫禄のある人に歌ってほしいんですが、、。

むしろ、トムスキー役を歌ったデラヴァンの方が迫力あり。
伯爵夫人にまつわる秘密を語るシーンも、上手くまとめていたと思います。

小澤氏の率いるオケは、この第一幕で少しばらつきが見られたり、なんだか元気のない音作りで、
おやおや、大丈夫?と思わされましたが、第二幕(特に侯爵夫人が登場するあたり)から
勢いが出始め、その後はなかなかだったと思います。
ただ、ゲルギエフの指揮に比べると、良く言えば繊細さとかきめ細かさが取り柄で、
悪く言うと綺麗に収まりすぎている、と言えるようにも思います。
ロシアものでは不可欠だと私が感じる生々しさ、ある意味の”都会らしくなさ”とか
もうちょっと思い切っていえば”だささ”のようなものが、
小澤氏の『女王』には欠けているかな、と思います。
この”だささ”が個人的にはロシアものの良さだと思うのですが。
ただ、細かいところで魅力的な音を引き出したりはしていて、
メトに登場する他の指揮者に比べると、上の方のティアーに入るのは間違いありません。

さて、第一幕の最後の、リーザとゲルマンの二重唱で大変な事件が起こってしまいました。
ベン・ヘップナーの声が突然壊れてしまったのです。
それはあまりに突然やって来ました。高音(とはいえ、決して超高音ではない)に
直前の音から上がって来るときに、引き上げても上手く上がれず、
音に形があって手でつかめるものだとしたら、まるで音の足を誰かに掴まれて、
水上に上がりたくても上がれず、もがき苦しんでいるような、
もしくは足がしびれて、立とうとしても立てない感じにもたとえられるかもしれませんが、
びっくりするような聴き苦しい音が出てしまったのです。
思わずオペラハウス中が、”ああ!”という失望の声で包まれ、観客中に大丈夫か?という
疑惑が立ち込めました。
喉に何かがひっかかったのか、その直後のいくつかの音も濁らせた後、
何とか幕の最後まで行き着きましたが、インターミッション中に、
”あれはなんだったんだ?”と観客の中で騒然でした。
リハーサルでは非常に安定した歌唱を披露していたそうなのに、何があった、ヘップナー??!!

第二幕

もう気持ちの上で恐怖が先に立ってしまっているために、まるで薄氷の上を歩くような
慎重さで歌い続け、それでも、そこここで、声が潰れるヘップナー。
最後の幕まで聴いた今でも、何が起こったのか私にはよくわかりません。
(11/24にNYタイムズのサイトに掲載された記事によれば、
オフィシャルには風邪のため、という発表になっているようですが、
記事を書いた批評家も以前にも経験したという声帯障害の再発の可能性を疑っています。)
一幕最後の二重唱までは、声の軽さは別として、非常に安定した歌唱を聴かせていたように思われたのに、
このように突然に、それもこんな形で声がコントロールを失い壊れてしまう例は
生の舞台で初めて聴きました。
はじめから調子が悪い、段々と聞き苦しくなる、
高音域に行くと音がしっかり出ない、という例はごまんとありますが。
ニ幕以降では10分に一度ほどの頻度で、予想も出来ないところで声が壊れるので、
聴いている私達もどきどき。
しまいには観客の中に大きく咳払いをする人もでる始末。
このように喉をクリアしたらどうなんだ?とばかりに、、。
不思議なのは、全部がめちゃめちゃなのではなく、
完全に音がへしゃげている箇所以外は、綺麗な声が出ていたという点です。
オペラヘッズの中には、彼に関しては過去数年に渡って、
なんだかんだと歌唱の出来の悪さへの言い訳を聞き続けてきたが
一体なんなんだ?!と激怒りの声も上がりはじめています。
(そういえば昨シーズンの『トリスタンとイゾルデ』
ライブ・イン・HDの公演も含めてほとんどの日程をキャンセルしてましたっけ、、。)

ここまで調子が悪いと、本人が必死になってきちんと歌おうとしているだけに、
本当に気の毒なのですが、
歌唱面ではこのように大変なことになっているにも関わらず、
そのことばかりに拘泥しなければ、彼の役作りは面白い点があったと私は思っています。
逆に、彼がこれほど緻密な役作りをしていなかったなら、どんなことになっていたか、、と、
恐ろしい限り。



終幕後に、彼にブーを浴びせる人は誰もおらず、
それはこうも声のコンディションがひどいと気の毒さが先に立って何もいえない、ということや、
彼に対してまだ存在しているポジティブな評価のせい(今日は調子が悪かっただけ、、という)
だとか、いろいろな理由があったでしょうが、
私は彼が壊れた歌以外の個所で、それなりに面白いものを提示してくれていた、という理由で、
ブーを出さなかった人間の一人です。
特に激しい気性の若者としてではなく、自分の声質を逆手にとって、
ほとんど気品すら感じさせる静けさをこのゲルマン役に
持ち込んだのは、非常に面白いアプローチだったと思います。

そのヘップナーのトラブルの穴をしっかり埋めて見事だったのは、
侯爵夫人を演じたフェリシティ・パーマー。この人は本当に演技達者だと思います。



昨シーズンの『連隊の娘』でのベルケンフィールド女侯爵役も傑作でしたが、
彼女はどちらかというと意地悪、だとか、一癖二癖もあるようなばあさんを演じている時が
最も光るような気がします。
昨シーズンの『ピーター・グライムズ』しかり。
今日の伯爵夫人も登場した瞬間から舞台上が凍てつくような嫌なばばあぶり全開ですが、
特にこのニ幕の寝室のシーンは、セット上にあるものといえば、ほとんど、
大きな背もたれ椅子一つと後ろにある大きな若き日の頃の肖像画というモノローグ的な場面ですが、
彼女の存在感がものすごくて、ほとんど空っぽの舞台上にあっという間に
緊張した空気が張り詰めていく感じが爽快でした。
結構なお年なので、音域が高いと少し声にしんどさを感じる彼女ですが、
この伯爵夫人役は音域もぴったりで、今日の公演の立役者は間違いなく彼女です。
ゲルマンが詰め寄ったたために心臓発作を起こして死んでしまう場面は本当に怖かった、、。

あと、私が耳を惹かれたのは、劇中劇『忠実な羊飼いの娘』の中で
クロエの役を歌ったウェンディ・ブリン・ハーマー。
ゲルギエフの盤ではクロエの役もグレギーナが歌ってしまっていますが、
今回の公演では、ポリーネ役のセメンチャックがダフニスを、
トムスキー役のデラヴァンがプルーティスを歌い、
クロエには全く別の歌手を立てるという、スタンダードな配役になっていました。
ウェンディ・ブリン・ハーマーについては、リンデマン・ヤング・アーティストの
ワークショップ
で歌声を聴いて以来、大期待している若手のソプラノで、
今シーズンのメトのリング・サイクルにも出演が予定されているようです。
そんな彼女が、18世紀のロシアの宮廷音楽のスタイルで書かれたという
『魔笛』のぱくりのような劇中劇で(メロディーがそっくりです)
見事にスタイル感のある歌を聴かせ、
開演前にこの役の配役をチェックしていなかった私は、
終幕後、”あのソプラノは誰??”と急いでプレイビルをチェックした次第です。
彼女の名前を見て、本当に嬉しい気持ちになりました。
ワーグナーものも歌える上に、このようなレパートリーでも瑞々しい歌を聴かせられるなら、
ぐっとレパートリーが広がるんではないかと思います。

第三幕

この幕は私も好きなので見るのにも力が入るというものです。
まず、第一場の、侯爵夫人がゲルマンの前に亡霊となって現われ、
”自分の意思に反することだけど、神のお告げにしたがって、リーザの幸せのためにも
秘密を教えてあげましょう。”と、
ギャンブル必勝のための”三カードの秘密”を教えるオカルト・シーンが好きです。
最初はこの3カードの秘密を知ることは、あくまで金持ちになって、
身分違いなリーザに婚約を申し込む、という手段であったはずなのに、
いつの間にかそれ自体が目的となってしまったうえに、
リーザに最初の意図まで勘違いされて、ゲルマン、リーザ、侯爵夫人、エレツキー
四人もろとも不幸の奈落の底に落ちていく、という悲劇がこの話の柱です。
エレツキーだけは死をまぬがれますが、婚約を破棄されてしまいますから。

舞台上手に配置された小さな寝台の上で、ぶるぶる震えながら頭を抱えている
ヘップナー扮するゲルマン。
すると、いきなり、どかーん!どかーん!というすごい音がして、何事?と思うと、
舞台の真ん中の床がふっとび、床下から侯爵夫人を演じるパーマーが床を叩き割って、
出来上がった穴の下から亡霊となって這い上がってきました!
驚愕!!!侯爵夫人、まるでモグラのようです、、。
なんかへんてこだけど、これはこれで、とても怖い!
じっとりと、”3、7、エース、よ。”と囁くモグラ侯爵夫人、、、すごいインパクトです。

ニ場で、三つのカードの秘密を手に入れて狂喜するゲルマン(すでに狂気の世界の住人。
額縁で2人の間が裂かれているのは先にふれた通り。)に、
とうとうリーザが失望し、運河に身投げするというのが場の最後なのですが、
このプロダクションでは、リーザが胸で十字を切って幕が降り、
話をあらかじめ知らなかったら、私にはちょっと彼女がこの後死んでしまうということが、
わかりにくい表現かな、とは思いました。

当然のことながら、この三幕通しでずっとヘップナーは突然砕ける声に苦しめられていたのですが、
それでも歌唱も含めて、狂気の表現が巧みだったことは評価されていいと思います。

三場の賭博場のシーンでの、エレツキーを演じるストヤノフの相変わらずの存在感のなさが悲しい。
”俺と勝負だ!”とかっこよく決めてほしいのに、、。



最後のカーテン・コールでは、グレギーナがこれ見よがしにパーマーやセメンチャック、
小澤氏をはじめ、ヘップナー以外の全員の主だったキャストや指揮者をねぎらい、
ヘップナーを完全無視していたのは興ざめ。
まだこれが初日で、ヘップナーさえ持てば、あと何公演も同じキャストで歌わなければならないのに、
こんな雰囲気を作るのはどうかと思います。
大体、彼女の歌唱だって、乱暴な大声で、この役ではそんなに絶賛されるべきものでもなかったのに。
そして、おっちょこちょい全開の様子で大歓声に答えるセイジ・オザワ氏。
なんか純真といえば聞こえはいいですが、大人子供みたいな彼の立ち居振る舞いに、
モグラ侯爵夫人に負けず劣らず怖くなった私です。
大人(というか老人?)がはじけると怖い!

Ben Heppner (Ghermann)
Maria Guleghina (Lisa)
Ekaterina Semenchuk (Pauline/Daphnis)
Felicity Palmer (The Countess)
Vladimir Stoyanov (Prince Yeletsky)
Mark Delavan (Count Tomsky/Plutis)
Wendy Bryn Harmer (Chloe)
Alan Oke (Tchekalinsky)
Paul Plishka (Sourin)
Conductor: Seiji Ozawa
Production: Elijah Moshinsky
Set & Costume design: Mark Thompson
Lighting design: Paul Pyant
Stage direction: Peter McClintock
Choreography: John Meehan
Grand Tier D Even
ON

*** チャイコフスキー スペードの女王 Tchaikovsky The Queen of Spades ***


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8 コメント

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出待ち@スペードの女王 (チャッピー)
2008-11-24 20:26:10
なぜか常連の連中が一人もいない。
替わりに日本人が5人。さすが小澤の登板日。
しばらくして、お花を抱えて常連のおば様登場。
この方、西宮に住んでたこともあるらしい。
オペラ歌手500人以上のサインを持ってるんだって。お花は小澤にあげてました。

絶不調だったヘプナー。
「あそこまで悪いと体調不良しか考えられないよね」と日本人同士で話してたのですが、かったるそうに登場。3人くらいにサインして逃げるように帰っていきました。

NHKの取材班が小澤征二を取材に来ていたのですが、どうやらグレギーナも巻き込まれたようで、二人はほぼ同時に登場。この日の小澤、OBAMAの文字入りの赤い毛糸の帽子を被ってました。

12時半近くになっていた為か、グレギーナは2,3人にサインをして退場。小澤もスルーしかけたのですが、おば様がお花を差し上げたことにより、一転サイン会会場に。ありがとう、おば様。

帰り際、メトの人が小澤を車に乗せて見送ってる所を見かけました。びっくりしたのが、その車がイエローキャブだったこと。彼はボストンに長くいたから、別に驚かないんだろうけど、欧州出身の大物マエストロは怒り出しそう。来シーズン、ムーティが登場するらしいが、ムーティにもイエローキャブなんだろうか。

リムジン呼ぼうよ、メト・・・
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出待ちレポ、ありがとうございます! (Madokakip)
2008-11-25 12:56:51
 チャッピーさん、

お帰りなさい!そして、『スペードの女王』の楽しい出待ちレポ、ありがとうございました

>なぜか常連の連中が一人もいない。

ははは。翌日の『ファウストの劫罰』のライブ・イン・HDの会場で
『蝶々夫人』の出待ちをしていた人を何人か見かけましたよ。
お年だから、前日(このスペードの女王の日)は夜9時ごろに就寝されてしまったのかもしれませんね。

今24日の月曜の公演をシリウスで聴きながらこのコメントを書いていますが、
ヘップナーがあの金曜の公演からは考えられないほどの気合の入った大熱演&大熱唱で、オケも爆発してます。
いいものを見逃してしまったようです、、私達。
でもこればっかりはコントロールできませんね。

>リムジン呼ぼうよ、メト・・・

まだイエローキャブを呼んでもらえるだけいいですよ、小澤さん。
マルコ・アルミリアートなんてこの間タキシード姿で徒歩でしたから。
(宿泊している場所にもよるんでしょうけど。)
返信する
オザワ (チャッピー)
2008-11-25 20:05:35
NYの日本人の知人で「年齢のせいか途中で眠くなるので、最近メト通いはやめてる。」と言ってる人がいる。小澤、マケインと同い年。その人は引退組だけど、現役だといつまでも若々しいということなのかな。
小澤、カーテンコールで飛び跳ねてましたよね。
オケ、演出は金曜日も良かったと思うけど、ゲルマン役、よく復活したもんだ。

>マルコ・アルミリアートなんてこの間タキシード姿で徒歩でしたから。
せめて着替えようよ・・・
徒歩ってことはエンパイアあたりかな。
私も金があるなら泊まりたい@エンパイア
返信する
本当に奇跡です (Madokakip)
2008-11-27 10:41:54
 チャッピーさん、

月曜24日の公演では、オケ(特に一幕)がすっごくパワーアップしてました。
こんな演奏が聴けるなら、あの小澤氏人気も納得だわ!と思いました。

そうなんですよ!
あの金曜日の演奏はシリウスでもウェブストリームでも大々的に放送されてしまい、
”これはひどい、、”とオペラヘッズを震撼させた公演で、
オペラハウスにいれば舞台や演技が見れますが、
音だけ聴いていた人たちには、”なんだこりゃ?”状態だったようです。

その状態から、よくもこんなに歌えるように、、と衝撃です。
あの金曜の音源を聴いた人の中には辛辣な意見をヘップナーに対して投げている人もいて、
彼が月曜にキャンセルしないらしい、と聞いて、
みんなてぐすねをひいてシリウスで聴き守っていたのですが、
そんな人たちも拍子抜けしてしまったようです。
あのすっぽ抜け状態は、最後の死の場面で少し出てしまいましたが、
しかし、これだけ歌えれば文句を言う人はいないでしょう。

そこで、金曜については本当の原因は風邪じゃなかったんじゃないか?
じゃ、なんなんだ?とすごい激論になってました。

そもそもの彼の発声テクニック自体を疑問視する人がかなりいたようです。
持って生まれた声は美声なんですけどね。

>徒歩ってことはエンパイアあたりかな

それが全く逆の川の方向へ、、。
もしかしたら、ホテルではなくコンドミニアムみたいなところに滞在しているのかもしれないですね。
返信する
セイジオザワ、食道がん見つかる (boku)
2010-01-07 12:30:22
大変ショックなニュースです
小澤征爾さんに食道がんが見つかったそうです。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100107-00000368-yom-soci
これから記者会見をして状況を報告するそうですが、
食道がんってすごく転移しやすいんですよね。
がんの中でもかなり危ない場所だと記憶しています。
早期だといいのですが、、、
返信する
完治されますよう (Madokakip)
2010-01-08 13:32:01
 bokuさん、

小澤さん、これは大変なことになってしまいました、、。
30公演もキャンセルですか。
ご本人が一番残念でいらっしゃることでしょう。

この『スペードの女王』の時も、健康状態があまり良くないのかな、という風に思いました。
がんとは直接には関係ないかもしれませんが、
ご年齢もご年齢ですし、、。

今は治療に専念して、また元気にメトに帰って来て頂きたいですが、
もういらっしゃらないかも、、という予感もしてます。
(完治されても、もうメトの契約はサインされないんじゃないか、と、、。)
そうしたら、この『スペードの女王』がメトで小澤さんが振った最後、ということになりますね、、。
返信する
よかった、早期だそうです (boku)
2010-01-08 14:42:53
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100108-00000002-dal-ent
会見に小澤さん本人も元気に出てきたのでとりあえず安心しました。
70過ぎると年のせいでがんも進行しないなんて話も聞いたことがあります。
音楽監督最後の公演に出られないなんて本当に可哀相ですが一刻も早い回復を待っております。
返信する
歳をとっているといいこともある! (Madokakip)
2010-01-08 15:41:03
 bokuさん、

>70過ぎると年のせいでがんも進行しない

これまたすごいロジックですが(笑)、
そういうこともあるかもしれませんね。
歳でよかった、小澤さん。

>音楽監督最後の公演に出られない

これもまたそのようなめぐり合わせなのかもしれません。
でも、小澤さんの場合は彼の指揮を喜んで迎える!という場所は
他にもあるでしょうから、まずは早期だったことを幸いと感じ、
治療に専念して、早くカムバックして欲しいですね。
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